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  同じ瓦が無い場合の損害認定
月日は百代の過客にして行きかふ年も又旅人也。…
この業界に入って、月日は早26年、いろんな焼場を経験し、被災者になじられ、逆恨みされ、永遠に同様な事を繰り返す毎日である。
利害とは利益と損害のことであり、一般会話でよく使用される利害関係とは利益と損害がお互いにひびきあう間柄の関係である。
「会社と自分の利害関係の一致」等、頻繁に聴く事がある。
被保険者の利害と保険者の利害は一致するのであろうか?
全く相反する関係にあるが、「偶然な一定の事故」や「大数の法則」により、被保険者に事故が発生して保険金の支払いが生じても保険者は経営における大勢に影響は無い。適正に迅速に保険金を遅滞な支払う中での一つの事象に他ならない。 それでは損害とは何か、これはズバリ利益を失う事であり、台風に因る風災で「台風に因る損害」とは個人の財産である建物という価値の欠損である。
 前置きはさておき、今回は瓦の損害認定について述べる。
1.同じ瓦が無い場合の損害認定について
(例)フレンチ瓦…洋瓦,213×337,坪当り枚数46枚,メーカーは多数有り,フランス瓦とも呼称
雨仕舞いが悪い事から、昭和の代に絶版になってしまったが、ユーザーのニーズから復刻版有り。現在は殆んど在庫無し。
 当該瓦の様に差替不能分についてはどうするか
台風○○号の強風により、目的建物の店舗の屋根面積200u(フレンチ瓦葺き)の内
わずか5枚飛散、割損。
(要求)被保険者は屋根200uの全取替費用1,600,000円+足場掛費用500,000円の請求。
(認定)足場掛の一部費用30,000円+瓦差替費1式30,000円、ただし20万円フランチャイズにより、免責(NC)。
解説…損害保険の使命は損害発生直前の状態に回復させることであるが、あくまでも、損害を金銭に評価するものであって、現物支給では無い。

2.応急処置費用の認定について
 屋根の瓦が施工されるまでの期間、養生シート(長崎ではブルーシートと呼称)を掛け、土嚢(どのう)で押さえて、とりあえずの臨時処置。
(認定)応急処置は損害では無く、加えて普通火災でいうところの修理付帯費用保険金の仮修理費用に該当する。しかし、同費用保険金は「火災」「落雷」「破裂・爆発」のみ担保である。従って、風災は不担保であり、支払い不可能。住宅物件においては同費用保険金が存在せず、支払い不可能。

 嗚呼、こういった実務レポートを書く時、業界では文科系出身者が多いせいか、
文体を『です・ます調』で書きなさいと指導を受けたことがある。
 正確には『です・ます体』で有り、その指導は誤りである。厚生労働省指定の通信教育の『技術レポートの書き方』を学べば、その理由は書いてある。著者の宮川松男教授が述べている。
 自分自身のみの経験で物事を考え判断し発言することは誤りである。賢者は歴史に学ぶ必要がある。官公庁の法律,政令,省令,訓令には『である体』が使用され、工事災害が生じたとき、関係事業者あてに監督官庁からの通達分が『である体』であるからこそ、重みがあり、法令と同様に対処しなければならないと考えられている。
 ……とまあ、小生の言い分も半世紀生きた中年男性の戯言と言われればそれまで、時代の変化かもしれない。こういった小論文の書き方,考え方は古すぎるのかもしれない。しかし小生にとっては一炊の夢、邯鄲の夢、あっと言う間に
駆け抜けた鑑定人生活である。


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