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  解体前の建物評価
 土地を購入したら経年著しい古い建物が一緒についてきて、\30,000,000であった。という事例で考える。
 不動産会社が言うには土地の値段であって、建物の評価額は\0だという売買価格である。
 建物は木造波形鉄板張瓦葺きで新築後60年経過し、掛る維持管理はされておらず、屋根瓦は存在し、雨漏りの症状は無いが、外壁の板は反り返り、代わりにトタン張りにして建物が痛む可能性を回避している程度で住もうと思えば住めるが、大掛りなリフォーム工事を必要としている。
 さあ、この建物をなぜ解体して更地にせずに、不動産会社は販売したのか?
答えはすこぶる簡単で、解体する費用が発生するから、建屋付きで土地を販売して解体工事費を¥0にしたかったからである。
 問題はこの建物に火災保険をつける場合である。保険価額は下記の如く評価するが、その減価控除率が波紋を呼ぶこと間違い無い。ちなみに皆様ご存知の様に空家は一般物件であり、住宅であっても、専用住宅とはならない。
 各社共通の保険商品で言うと普通火災保険で時価額で評価し、付保するべきであろう。
 木造波形鉄板張瓦葺 空家 1棟 延99.00u
再調達価額¥10,000,000
最終残価率20%
経年減価率1.5%≒(100%−20%)÷53年
減価控除率1.5%×60年経過=90%
残価率の修正 20%残価
時価額  ¥2,000,000(=10,000,000×20%)

この試算でいくと\2,000,000では無く50%残価で\5,000,000だという御仁もいらっしゃるが、掛る普通の日常における維持管理が施されていないことを考えれば20%残価で問題無い。
 ところが、上記取得条件でいけば、評価額が¥0であるから保険は付けられないという判断もひとつの考え方であろう。空家でリスクが高いから保険引受の対象から除外するという思いが伝わる。
 しかしながら、現実的な問題はこういう物件に火災保険を付保している場合である。保険契約者が火災保険をつけたいという要望を断ることは困難である。
 この様に土地を簡単に購入できる潤沢な資金をお持ちの方々は多々いらっしゃる。空家だから、放火されたり、台風等の被害の際に改めて防御態勢が取れない、、等々の理由がある。
 我々鑑定人はこの様な物件の調査をし、その損害額を算出する際、分損であれば、新価損害額から十分な新旧交換控除を適用し、時価損害額を算定しなければならない。
この物件で新価損害額で¥1,000,000の妥当な見積金額で認定した場合、新旧交換控除で何%で時価損害額は何円でしょうか?
 答えは発表できません。いろんな意見による痛烈な批判を浴びたくない小生は逃げを打ちます。この文章を読んでくだっさった方々がたまたま小生に面談した場合はお知らせしますが、、、、残念ながら、この業界は鑑定人の作成した論文や文章に対する評価というものが、批判しか返ってこないのことが多く、寂しい時がある。小生を批判する場合は
対案を以って議論という形を切望しております。
 Nothing comes from nothing(まかぬ種は生えぬ)
                         平成25年4月2日 
 


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