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放火は悪いことではないのか その2
 放火の疑義を許さないという正義感による行動は発注者とちょっとしたトラブルになる場合がある。
 正義感にかられると正しいことをやっているという意識から
 鑑定人として正しいことをしようとする。
 この事がトラブルになる場合がある。
 
 現場から携帯電話で保険会社の担当社員に放火の疑義を電話したら、
 『保険金を払う払わないは保険会社の判断であり、鑑定人の仕事では
 無い。いかに放火とわかっても、現地で客を尋問する様なことは
 良くない。あなたは鑑定人として損害額算定だけすればいい。』
 と注意された。
 
 事情聴取であって、尋問では無いが…
 
 「どうしたらいいんですか?自放火の疑義が極めて明白な
 ガソリン散布火災について保険金を払うのですか?」
 
 『来週でもリサーチを入れて、事故原因を調査するから、通常通り、
 罹災証明とか、家財の書出明細等を依頼する様に。』
 
 「えっ、払うんですか?」
 …こんな事案が過去に支払われたことは無いから、小生はその指示
 (家財の書出明細)を無視した。
 
 あれから9年経過して、案の定、保険金は支払われていない。
 
 因みに、弊社調査後、リサーチ会社が現場調査に行った時には現地は建物が解体されて、更地になっていた。
 
 土日を挟んでの対応であったせいか、担当者のリサーチ会社への外注が
 間に合わなかった。
 
 更地になった現場のせいで、リサーチ会社や保険会社から弊社への
 尋問が多すぎた。
 
 ①平面図をくれ
 ②火元はどこか?
 ③契約者はどんな人か?いい人か悪い人か?
 ④家族構成は?
 ⑤契約者の職業は?そして経済状況は?
 ⑥他の保険会社に保険は加入しているのか?
 ⑦自放火したであろう動機は何?
 
 …あなたが調査だけして、被保険者に事情聴取するなって言った
 じゃんと言いたかったが、担当者がその上司に変更になり、
 事情状況,事故原因についてレポートにしなさいと指示があった。
 
 …やっぱりなあ…と思いながら
 過去の例から考えて、この様なモラルリスク事案は最初に現場に行った
 弊社が責められることは経験していたから、調査した内容は
 後出しじゃんけん式に文書で提出した。
 
 実は上記①~⑦はすべて事情聴取や調査済みであった。
 …続く
 令和1年8月26日
 
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