| 
あまりにもミスマッチ その2
 長野県白馬村、その素敵な雪景色を見ながら車で現地に向かう。
 車中にはライバル鑑定会社の新人の野郎である。
 美しい景色がよどんで見えた。
 
 『私は今のベテラン鑑定人の姿に違和感を覚える。
 もっと保険会社に擦り寄って、仕事をくださいといい、
 媚びを売らないと仕事を取れないと思う。
 ハマベさんももっと保険会社の言う通りに指示に従うべきだと思います。
 
 地震保険の認定方法でも保険会社に意見してましたよね。
 いくら現場経験が長いからと言っても保険会社に意見するのは
 どうかと思いますよ。もっと謙虚に、保険会社の言う通りに
 すべきですよね。』
 
 信じられないと思うが
 この発言は大学出立の23歳の兄ちゃんの発言である。
 
 同じ会社であればとっくにぶっ飛ばしている。
 
 当時小生は52歳である。いくら依頼主の頼みとはいえ、こんな生意気な奴に、しかもライバル鑑定会社の新人に無報酬で教育係なんて、
 馬鹿馬鹿しいと思いながら、実際に契約者に面談して調査をした。
 
 はっきり言って現場での質問が多く足手まといである。
 足枷と言ってもいい。面倒くさいし、こいつを立派な鑑定人に育てたら、将来弊社を潰しにくるのである。
 
 敵に塩を与えるのどころか、
 砂糖とミルクとタピオカジュースまで与えることになる。
 
 …続く
 令和1年9月6日
 
 |