| 
 
見直される時価保険
   企業においては、保険担当の事務方がその掛捨保険料の毎年の負担を考えた時に事故発生時の金銭的リスクよりも日々の出費の軽減が優先する。    現場で企業の総務課等と面談すると、茶飲話で弊社に語る。
   一企業にとって、損害保険会社が再調達価額による新価払いの保険を勧める事に抵抗を示し出したのである。
   会社の工場が風災で破損しても、企業としては修繕費で会社の経費で落とすことになるから、後日保険金を受領してもそれは雑収入か一時所得となり、課税対象になるのである。
   であれば、プラスマイナスゼロの時価保険での加入が宜しいと判断するの である。 …これは黒字の会社の話である。
  一方で赤字続きの会社の場合、突然の事故の復旧に現金捻出が厳しい為 損害保険の新価払いは非常に助かるというシステムである。
   ゆえに、潤沢な資金を持つ会社程、時価保険への加入に変身してきている。
  内部留保が余裕の企業は新価払い等要らないと現場で言われる。
   近年は99%鑑定人単独立会につき弊社に発言なさる。
  その様なご要望は直接、保険会社に発言して欲しいと丁重にお断り するしかない。
  潤沢な資金があっても、不景気やコロナの影響で日々の売上が減少傾向 の場合、新価保険から時価保険に変えて、保険料の負担を軽減する手法である。
   新価保険の魅力である新価払いは その保険料が当然、高額になる ことからちょっと失敗すると運転資金がショートしてしまう。
   一方で、 (弊社の様な) 中小企業の場合は新価保険が不測の事態になんとか助かる。 まあ、自社の事、自分の事だから笑えない。
   時価額の保険は損害額が時価損害額であり、新旧交換控除(NFO)の手法が存在することを過去に何回も述べた。
  NFOについての議論は保険会社サイドでよくこう言われる。
  『現在は保険契約の殆んどが新価であるからNFOの手法の議論 は不要である』
  …そうかなぁ~現場は違うけどなぁ~  、、、とロートル鑑定人の独り言である。
  令和3年1月21日 
  |