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浮浪者の住む家 その3
   田舎の風習では玄関の鍵を掛ける事はマナー違反である。 そして必ず引違戸でないといけない。 開き戸の場合、片方で荷物、片方でドアノブと両手がオープンにならない。  田舎では畑で取れた作物を大きなダンボールに入れて勝手にご近所の 玄関の中におすそ分けして行く。
  この様な風習の中で、施錠=付き合い拒否→村八分となる。
  故にこの地区では村人達と仲良くしてご近所付合の為にも 玄関の鍵は掛けられていない。
  以上の風習でオーナーが長期出張の間も施錠されず、誰でも家の中に 進入可能であった。
  当該目的建物は空家では無かったが事実上、空家状態であった。
  法律としては空家問題を解消するために放置して危険な空家に法的処置をとる「空家対策措置法」がある。 1年を通して建物の使用実績が無い場合「空家」として認定される。
  空家に火災保険を付保する時は皆様ご存知のように住宅物件では無く 一般物件となる。住宅火災や住宅総合保険は付保禁止で、普通火災のみしか付保できない。
   依って、担保危険が火災、落雷、破裂または爆発いわゆる『カラクバク』と 風災のみ担保となる。
  当該目的は空家では無いがプチ空家として述べる。
  空家はその家の中に家財、調理器具、ベッド、布団などがある場合、 浮浪者(不審者)が勝手に家に入り、住み着き易い。
  そう、生活の基盤である家財道具が1式完備しているのである。
  本件の場合、たまたま5年経過していたが、所有者が帰宅するつもりで、まさに生活していた状態で家を離れている為、宿泊、炊事、洗濯すべて可能な状態であり、旅館並の設備がある宿泊施設と化していたのである。
  当該目的建物に火災保険を付保したのは小生もよく知っている プロ代理店であり、昭和の代から営業しているベテラン社長であった。 この社長は偉いご婦人である。
  性格は田中真紀子さんと似ている感じと言えば分かり易いと思うが なんと一般物件で普通火災で付保していた。
  そう、代理店の〇〇社長は『空家』と判断していたのである。
  …続く 令和3年2月26日 
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