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浮浪者の住む家 その7
   なぜ、その家が全焼したのであろうか?  そしてなぜ、保険契約期間の終期前に偶然全焼したのか?  謎は深まるばかりである。  調査を進めると、いろんな事、意外な事が解り出す。
   今回のオーナーを甲賀氏(仮名)としよう。 甲賀氏のその人自体を調査して来たリサーチ会社の結果を保険会社から 資料提供を受けた。  そして勝手に住んでいた伊賀氏(仮名)一家はなんと甲賀氏の 知り合いであった。  住んでいいとの許可は与えていないものの 勝手に住まれていたとの由。 甲賀氏と伊賀氏は幼少時を本州の山の中の集落で一緒に過ごしていたらしい。  義務教育である小学校、中学校も通っていない。  二人の両親は両家とも太平洋戦争には参加していない。  更に、伊賀氏は日本人としての戸籍が無かったのである。
   今現在、名乗っている甲賀氏はどうも戦死した赤の他人の戸籍を乗っ取り現在に至っており、この甲賀氏が本当に同一人物であれば100歳を超えている。
   多分、甲賀氏も伊賀氏も伝説の山岳民族「山窩」(サンカ)の末裔ではないかと考えた。
   そう、日本にいて日本人戸籍が無い、幻の民族ではないのか…などと
   10世帯ほどしかないこの村で歓迎されていたこの浮浪者である伊賀氏の事や素性は村人は知っていたのではないのかという推論に達した。
   この村自体が伝説の山岳民族「山窩」(サンカ)の末裔が居住する村なのではないのかと考えた。
  令和3年3月5日 
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