米損害鑑定(水田)
日本国としての米不足問題,米価格高騰問題では無い。 賠償で車両や重機が水田(田んぼ)に落ちた時のその米の賠償 について述べる。
軟弱地盤でアウトリガーが地盤にめり込み、倒壊して田んぼに落下した事故や車両が道路から田んぼにジャンプして飛び込んだ事故で立会調査した 場合の損害の見方である。
調査の際は安全長靴を履いていかないと、車両の破片(硝子,部品,他)が足に刺さる。
(i) 直接損害について 事故に因り車両のオイルが水田に流出、約40坪に渡り被害を及ぼした事例 更に、車両の硝子,部品等が土壌に落ち、 表土の再使用不能であった。
田植えの際、 危険を伴う。 田植機を使用する為、人は大丈夫と考えがちであるが、 実際は田植え機が植えていく際、 隙間が発生した時は素足で手植えをする。
表土入換費用を計上し、 直接損害として認定される。 ここは土木の知識があれば計算可能である。
問題は間接損害である。
漁村育ちの小生は海で泳いでサザエやアワビを採って来ることは得意であるが、田植えをしたことが無い。
間接損害の計算方法は福岡県の直方市のとある豪農の 被害者に教えてもらい、農協の職員に習い下記の通りである。
(ⅱ)間接損害について
1.米の損害(稲の損害) 今から植えても他の苗との収穫が合わず、 オイル汚損箇所40 坪に渡り休耕田となる為、 9俵/反の収穫から換算して下記の通りである。 1 反 (300坪) : 9 俵 9俵×40坪÷300坪=1.2俵→2俵 2俵×18,000(円/俵) = 36,000…①
2.苗代の損害 当該水田に既に植えてあった苗代を考慮。 1 反 (300 坪):17 箱 17箱×40坪÷300坪 =2.27箱→ 3箱 3箱×1,100(円/箱)=3,300・・②
3.土壌の損害 (ⅰ)で入れ替えた新規土壌は肥えておらず、 肥やす必要が有り、手直し 費用として15,000円/人 (人夫) 2人分を考慮。 2人工×15,000(円/人工)=30,000… ③
4.肥料の損害 既存土壌に既に散布していた肥料代を考慮した。 1袋×15,750(円/袋) = 15,750…④
5.草刈り費用 新規土壌を入れるまでの間(工事は11月)、草が生える為刈らないと免災部分の土壌に影響を与える。 従って7月、8月、9月、10月分の草刈りを1ヶ月 ごとに1回とし、 4人工×15,000(円/人工) =60,000・・・ ⑤
以上に依り、 (ii)間接損害額合計= ¥145,050(①+②+③+④+⑤)
現実にこの算定方法が正しいかどうかの判断は鑑定人諸氏にお任せする。
異論があれば教えて欲しい。
田んぼの賠償は畑の賠償にも共通点がある。
みかん農家の畑に車両が転落してその賠償分の事例もあるが、 それはまたの機会に…
なぜならこの件を記載してもあまり面白くなかった様な気がする。
令和7年5月12日
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