保険金額自動復元の謎 残存保険金額の初期化
10,000,000円の火災保険を住宅に付保した場合 保険期間中に台風で被害に遭い5,000,000円の保険金を受領し、 修理が完了した場合の例である。
その2カ月後、その建物が火災で全焼しても問題無く保険金10,000,000円 が支払われる。 保険期間中、5,000,000円の保険金を受領したのだから全焼したら 残り5,000,000円では無く、10,000,000円なのである。
この契約者は1年間に15,000,000円を保険金として受け取ることになる。 被保険者有利の普通保険約款の制度としては不思議だ。
1年間の保険期間の中で10,000,000円の補償なのに1.5倍である。
まあ、これを保険金額の自動復元という。
1回の事故で保険金を受領し、修理完了でリセットとなり、改めて新たな リスクに備えるのである。
なんとありがたい補償であろうか。
しかしながら、支払った保険料に見合う補償では無く、1.5倍の補償となってしまう。
実は昭和の時代は1保険期間でのてん補限度額は保険金額であり、 上記事例でも1年間を通して10,000,000円が限度であった。 故に、火災で全焼しても残り5,000,000円の支払いだった事例を現実に 体験し述べている。
その時、何の混乱も無く、スムースに終了した記憶がある。
その残り5,000,000円を残存保険金額と呼称していたが、死語となって しまっている。
だから保険金額の自動復元という呼称では無く残存保険金額の初期化が 正しいと思う 令和7年7月10日
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