つっかけから追っかけ価協
女性の履物で『つっかけ』という靴がある。 現在は時代が変わり、『ミュール』と呼称するらしい。 ご年配の女性が『あの女の子は下着につっかけで町に出て来てる。』 …そうなのである。 シミーズにつっかけサンダルで町を歩く女性に疑問を投げかけているのである。 ご老人にキャミソールは理解不能なのである。 中ズボンをバミューダと呼称する様に… つっかけ→追っかけ 『追っかけ価協』という火災保険の付保の仕方がある。 長期総合保険(満期返戻金付)だと時価払いにつき新価と時価の差額を埋める 為に、住宅総合保険の価額協定特約で追っかける手法である。 預かり資産を増やしてどうするのという発想から積立物の保険が業界より 姿を消してしまった。 旧第一火災のマルマル保険など、日本の景気がいいころは素敵な保険商品 であった。 日本が景気が悪くなり、預かり資産の運用が出来なくなり、同社は破綻して しまった。 増税や社会保険料の値上げにより、日本経済は破滅の道を進んでいるが、 同時に保険料の値上げをせざるを得ない業界に少し寂しさを覚える。 現在、火災保険は新価払いが多く、かつ1年契約がすべて5年契約に変身 しつつあり、保険料徴収手間を省き効率化して保険会社もコスト削減している。 追っかけ価協も死語となりつつある。 賢い保険の付け方であったが、メリットが無くなり金利がほぼつかない積立物 は販売されないであろう。 現行の鑑定人試験で、長期総合保険や店舗総合保険の名称は出てくるが 実務で扱う事はまず無い。 各社オリジナル保険で、オールリスクス担保が多い。 約款をいじり過ぎて水災等の支払い方が非常に難しい。 水害の調査をするに当り約款の実損払いか定額払いか費用保険金が担保なのか、土砂流入の土砂の撤去費用は目的外で払えない等、言うのは簡単、 炎天下での水害調査の実務は大変である。 『つっかけ』ならぬ『引退のきっかけ』の言葉がよぎる今日この頃… 令和7年9月11日
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