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  鉄筋コンクリート造2階建の専用住宅の水没
RC造の建物の水没

 平成元年(37年前)、鹿児島県の奄美大島に水害の立会調査に赴き、
現場を見て愕然とする。

 2階建の鉄筋コンクリートの住宅がダムの下にある状態で完全水没して
いたのである。
 
 地盤面から7mの冠水であった。
 
 契約者曰く『毎年、台風の被害で悩まされるから木造を辞めて
鉄筋コンクリートの2階建を作った。

 まさか大水害で浸かるどころかまるでダム工事で水没したかの様な
状態だとのたまう契約者、自衛隊のヘリで助けてもらったとおっしゃる。
 
 いやあ、南国の人は明るい。はっきり言って大惨事である。
 
 水の底に家があるから家財道具を取り出せないと言われる。

 その日は事情聴取して現在水の底にある家が映る様に水面を撮影して対策本部へ帰った。

 対策本部に戻り、査定パーソンと面談の上相談すると

『ハマベさん、これ全損でいいよ。ところで図面とかある?』

…ある訳無いじゃん。水中に潜って調査しかないし、自衛隊に救助された契約者が図面なんてある訳無い。
 
 すると『水が引いたら、もう一度面談して事情聴取して図面(平面図)
を作成して欲しいです。
AMT30,000,000×70%縮小割合=\21,000,000払うのに図面無し、写真無しは稟議が通らないと思います。』とのたまう。

 だから、今現在、水没してる状態の写真をもう一度見せるが稟議、稟議とご主張なさる。
 
 結局、水が引いた20日後現場に再立会した。

 泥まみれの躯体コンクリート以外は内装、建具、全滅である。
 
 明らかにパッと見全損である。
 
 写真を撮って、平面図を作成して 全損と記載された罹災証明書を頂いて対策本部に帰った。
 
 対策本部のベテランの鑑定人曰く『ハマベ君、躯体が助かってるから全損
じゃ無いぞ。』

…多分、コントローラーのベテラン鑑定人がそうくると予想していた小生は傾斜計でRCラーメン構造の柱を全部測定してきていて建物の3°以上の傾斜の写真を
提出して事なきを得た。
 
 このコントローラーは当時同じ会社の上司兼厳しい先輩であった。
 
 ご高齢により今現在、退社して鑑定人も引退しておられる。
 
 Nさん、あなたの後輩兼部下は先を読んで行動する知恵が当時から
ありましたよ…と言いたい。
 当時、10年間お世話になりましてありがとうございました。

令和8年3月2日


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