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水害(水災)のおさらい
損害保険でいうところの水害(水災)は『下からの水』である。 冠水する事である。 長崎弁で水につかると言う。
住宅物件では床上浸水、一般物件では45cm以上の浸水と定義してある。
畳の下の荒床板の位置が地盤面から45cm(1尺5寸)であるからという理由である。 床上浸水とは『起居に供する床』の事であり、布団を敷いて寝るところが床上という定義である。
一般物件は1階が店舗で土間コンクリートであったり、長尺塩ビシートであったりする為、地盤面と床がほぼ同一に近い為、水害の目安として浸水深さ45cm規定がある。
以上は皆さまご存知の通りである。
ただし、その水深を何cmに認定するかどうかでいろんな議論がある。
A社ではランダムに水深を計測して、平均値で決定する。
B社では建物の東西南北の数値を測り、足し算して4で割って決定する。
C社では約款にその測定基準が記載されていないから一番浸水の大きい箇所を以て認定する。
いろいろな議論があるが、鑑定人が一日何件現場に行かされると 思ってますか?……
水害の対策本部に行けば、一日4~5件のノルマが課されるから、 いちいちそんな明確な水深測定は不要、そして平均値など不問となる。
水害の現場がどれだけ汚いのか知っている鑑定人達はC案を採用する。 そう、『被保険者有利の判断』と『約款作成者不利の原則』である。
議論すべきは水深では無く、近年、実損払い等約款が各社バラバラで あり、商品名が同じでも保険契約の始期に従って支払い方が異なる。
保険の種類によっては45㎝規定無しの保険商品も存在する。
保険契約を確認して予習して現場に行くが長靴が泥に埋まり歩けなくなったり、流出物でケガをしたりと水害の現場は危険である。
そして汚物が逆流しており、臭気がすごい場合も多々ある。 2次災害の危険があるにもかかわらず、客の要望に従い大至急立会調査すると土砂崩れが発生し生埋めになる可能性がある。 必ず、晴天に日に立会調査しましょう。 更に土砂崩れの現場調査はたとえ小ぶりでも雨の日に立会調査すると、再度土砂が崩壊し、現場調査している鑑定人が巻き込まれる可能性がある。
仮に大怪我をしても自己責任であり、鑑定人生命を絶たれても 『自業自得』という言葉で終了する。 だからこそ、天気を気にして自分の安全を確保して立会調査すべきである。
令和8年3月2日
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