一般に、火災保険の事故である「火災」「落雷」「破裂・爆発」「給排水設備に生じた事故に伴なう漏水」「外部からの物体の衝突」において、業者の復旧見積りが出て来て、差額が生じる。
それは第1点に約款上担保できない応急処置費(今回修理付帯費用分)、廃材処分費(残存物取片付費用分)の項目である。
第2点にグレードアップ,便乗修理,色違いによる範囲(㎡数等)の過剰請求であり、この事は業者の考えではなく、被保険者の意志に因るものが多い。
第3点に単純に業者の見積の単価が高いことである。
第1点については損害額算定の対比表で整理がつく。 第2点については、これは業者との話しではなく、被保険者との話しである。 なんとなれば業者にTELすると、それはオーナーと話してくれと必ず言われる。 いずれにせよ、最後にNFO(新旧交換控除)や、比例てん補で縮小される場合には業者と協定する事が非常に無駄な事で有り、尚且つ違うトラブルの元となる。 協定する事はすなわち協定額という取引き成立であり、工事完了後支払うとの契約成立なのである。 修理費は協定したが、全額払う約束はしていない等という事は有り得ない。 金額の決定イコール後日支払うとの事は常識である。 修理費の妥当性についての協定であって、支払う保険金は協定していないという業界人もいるがそれはおかしい。 工事発注という意思表示の上で、交渉に応じて金額を協定するのである。そうしないと相見積りを取るという行為の正統性が無くなる。
金額を協定すると業者は部材(建材)を建材店や卸業者に発注する。 これはもちろん汎用性がなく返品できない、ストックで持っていても使えない物が多い。 だから工事キャンセルはできないのである。
そもそも支払い先が業者ではない可能性が高い中で、架空の修理費について協定はできない。 被保険者に支払った後に、回りまわって業者への着金というところは約束不能の部分である。 被保険者が保険金着金後、修理しない例は過去にたくさんある。
見積書はA業者、実際は安価なB業者で施工するというのはよくある話であり、A業者と協定しても無意味である。 見積金額が高いからと値引き交渉して話し合いに応じるのは発注があるという前提に他ならない。 ビジネスには仕入れ金額と売価の差がある様に、建設工事には実工予算と見積金額が有り、利潤が含まれている。 その中で、利潤を削ってでも値引き交渉に応じるのは工事完成後(竣工後)、工事代金をもらえるという予定の元だからである。 修理業者は工事していくらもらえるかが興味があるのであって、いくら値引きしたら工事をさせてもらえるのだろうかを考え、金額交渉に応じる場合が殆んどである。
もらえるかもらえないかの建設工事の工事代金では交渉に応じない。 そこを理解して業者との協定をしなければならないが、現実的に無理がある。 結論として、協定は被保険者とするべきである。
平成20年6月5日
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