台風等の強風に因り建物所有者(大家)が賃借人(店子)に貸している建物の屋根が飛散した。

屋根の復旧をする為に、屋根上に設置された看板(店子所有)をｸﾚｰﾝを使って撤去し、屋根の葺き替え工事が終了後、再度看板を設置する必要があった。
この看板の撤去、再設置費用は建物の保険で担保できるか？

(認定)
類似事案で、機械保険のビル付帯設備包括契約特約条項第3条でも出てくるが、それとは異なり、看板を撤去する費用及び再設置する費用はあくまで、保険の目的外の工事につき、たとえ現実的に必要な工事であっても、この費用は担保できない。
賃借人所有の屋外看板(例えば重量1ﾄﾝの広告塔で屋根瓦上に設置)には、建物所有者の被保険利益は存在せず、保険の引き受けの中で当該看板は保険の目的ではない。

参考
機械保険 ビル付帯設備包括契約特約条項 第3条(保険の目的以外のものの原状復旧費用)

普通約款第1条(保険金を支払う場合)第1項の損害が発生した保険の目的の修理のため、保険の目的以外のものの取りこわしを必要とする場合は、それを取りこわし直前の状態に復旧するために要した費用を普通約款第5条(損害の額の算出)第1項の修理費に含めるものとします。ただし、上記の費用は、1回の事故につき300万円をもって限度とします。