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  門,塀,物置,車庫(住宅総合保険の場合)の20年史
今から20年程前、とある査定マンが質問してきた。昭和の時代の話である。査定マンという言葉は男女差別ではなかった。もちろん当時も女性の査定担当者は居て、女性でも査定マンと呼ばれていた。現在査定パーソンというのが正しいのかもしれないが、何分昭和のこと、そこは事実通りにお伝えしたい。なにとぞ、ご理解を賜りますようお願いしたい。

いまでこそ、サービスセンターなる名称の部署であるが、当時は○○○○保険会社の損害調査部火災課と呼称されるセクションであった。そこでの保険金支払担当者はこの様に呼称されていた。焼場(火災保険の業界では火災による焼損した建物の現場を焼場といい、反対に火災がおこる前の現場を平場という)では査定マンと鑑定人がセットで立会、現場調査し、被保険者と面談打合せをしていた。営業部の支社長や営業担当者や代理店も現場に同席し、酒(九州において火事場では清めの意を込めてお神酒(おみき)ということで日本酒を持っていく習慣がある)を持参し、お見舞の言葉をお伝えしていた時代の話である。

お客様第一と言われた時代で、被保険者への説明や被保険者への企業としてサービスのみならず、地方の慣習に習い行動していた時代であった。今現在は火事場に酒は不謹慎と言われるかもしれないが、何分20年前のこと、ご了承頂きたい。

そんな時代の全焼の時の話である。その査定マンが筆者に向かい、
 「ハマベ君(筆者の事,資格は取っていたが大学を出て2年しか経っていないペーペーであった)、目的建物は全焼だけど、門と塀は何ともないよね(免災)。これって保険金額全部払えないよね。どうする?オレこの事恐くて誰にも言えない。」とおっしゃった。

そうなのである。門,塀,物置,車庫含むの契約である。ここで筆者が追い討ちをかける。「○○さん、車庫と物置がしっかり助かってますけど、、、焼けてもないし、焦げてもないですし・・・・・」今考えると筆者もその答えが適正であったかどうかは抜きにして、査定マンを助けるどころか奈落の底に突き落とした様な気がする。

20 years later ・・・・・

住宅総合保険 普通保険約款3条(保険の物的の範囲)4項(2) 門,塀もしくはかきまたは物置,車庫その他の付属建物・・・・とある。やはり20年経っても当該保険の約款は変化無し。じゃああの時、全焼全損で保険金額全額払ったのは間違いなのか?

本件は次の2点で整理されると考えられる。

①保険料率の問題、主契約である母屋の構造,級別,職作業で保険料が決定しており、仮にC級で保険料算定した設定の時に、物置がD級だからと言って劣級扱いはせずC級で契約成立である。

②門塀物置はいわゆるオプションであり、1構内規定により構内の敷地であればたとえ国道が走っていようと構内は中断されないから1㎞先の塀だってあり得る。
すると、保険の火災という事故の形態から言って、その塀が焼損する可能性はゼロに等しい。となれば、限りなく、火災の全焼の保険金額の全額払いがなくなってしまう。

従って、ここは約款解釈の一般原則に戻る。
「約款作成者不利の原則」つまり、被保険者有利である。

門,塀,物置の損害額を含めるのはいわゆる風災等のリスクの時適用し、火災の時適用せず、被保険者有利に判断すべきである。水害の損害査定では逆に門、塀だけが倒壊しても母屋に被害が無ければ支払い不能である。主たる建物が全焼し、付属物の門塀が免災であっても、全焼全損で保険金額全額払いで問題無いと考える。超過保険のときはまた別の話である。

門,塀,物置の問題もあれから20年、まさに一炊の夢、邯鄲の夢かもしれない。

平成20年8月8日


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