主たる建物(母屋…屋敷内の主だった建物)に付属した小屋,物置,勉強部屋,納屋,厠(便所)等の建物の事を付属建物といい、登記簿謄本上では[種類]のところに「付属建物」として記載される。
ここで言うところの付属建物が現実に存在し、保険契約が「付属建物を含む」の契約の時について論じる。
九州の福岡県○○市に所在した保険の目的である建物は木造板張瓦葺2階建専用住宅1棟 延150㎡であった。現場に着くと、目的建物に隣接する木造板張瓦葺平屋建の建物120㎡が全焼していた。この建物は農家の納屋であったが、結婚した子供夫婦の為に住宅用に改装した完全無欠の住宅であった。わかりやすく言うと一つの敷地に専用住宅が2つ建っていたという事である。火災保険はどう考えても母屋である150㎡に付保されている。じゃあ120㎡の方は目的外で本件ノークレーム(免責)かなと考えつつも。証券上の面積は171.60㎡となっており、どっちにつけているか悩む。
現場に同行頂いたAgtは「最初の契約の時はトラクターとか入った納屋が隣接して建っていた。要は物置みたいなものとして考えていた。更改契約は別場所で印鑑と保険料をもらっていたのでまさか住宅に変身しているとは思わなかった。」とおっしゃった。
さあ、どうしよう。とりあえず有無責は後日にして登記簿謄本を取りに行く。・・・・なんと未登記が判明。それでは固定資産税の名寄帳はどうかなと調べる。2つの建物が課税されている。調査を進めると元来農家をしていた頃、子供夫婦の建物は住宅として契約者が住んでいた。その建物が古くなり、横に150㎡の2階建の新居を新築し、既存の平屋建の120㎡が空家となり、トラクターや農機具置場としたとの事、牛舎として使用した事もあるという。
平屋建の建物はその沿革が凄まじい。その上にリフォームしてまた住宅にして新婚カップルを住まわせあげく火災で全焼である。すごすぎる。
ちなみに「平屋建」を「平家建」と書いて、ある査定社員に怒られた。前者が正しく、後者は「へいけだて」と読むと言うのである。源氏ではなく平家の「へいけ」だと言い張るのである。
なる程。辞書を引くとその方の言う通りである。しかし色々な文献を調べると「平家」もひらやと読み1階建の家と書いてある。
どれが正しいかと考え、A型の小生はすぐ解決したくなり、 Do in Rome,as the Romans do.(郷に入らば郷に従え)に流され、「平屋建」として現在もそれを使っている。
話を元に戻すと、本件は保険金支払対象外かと言うと支払可能である。まず不動産登記法で付属建物の面積(㎡数,坪数)規定は無い。母屋より大きくても付属建物である。
ただし、本件は未登記につき、この法律は使えない。
従って約款に戻る。住宅総合保険約款14条(包括して契約した場合の保険金の支払額)2以上の保険の目的と1保険全額で契約した場合には・・・となり、いわゆる業界で言うところのValue按分でAMT設定しての支払いである。
もし、付属建物として登記してあった場合はどうかと考えると支払金額が増える事は想像できる。
しかし、料率の観点や引受規定から考慮すると、たまたま両建物がD級であったからいいものの元来「一つの建物」とは何かという視点で保険の見直しが必要だったと思われる。
平成20年12月5日
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