焼場(事故現場)で見る,聴く,計る(長さを),撮る(撮影する),屋根に登る,焼残骸を調査する。被損商品を数える,什器備品を確認する。そして引き揚げ速報を作成する。ここで仕事は終わらない。保険価額,損害額の算定のみならず、事故状況,事故原因の検証を行ない、再調査したり、関係者を面談したり、法務局に赴き所有権を調べる。小損害であっても、その作業は同じである。 分損の場合、修理業者の復旧見積書が提出されると、それに対する対比表を作成し、金額の修正の場合は面談、話し合いの場合が多い。査定担当者に説明し、営業店に説明し、業者に説明し、最後は被保険者に説明をする。 説明に行く為の再立会も単独立会面談が多くなり、その責任は重大である。 近年、不景気の影響で、たくさんの建設業者が姿を消し、火災の復旧の経験の有る工務店が少なくなった。その為、ケタ違いの誤った復旧見積書が出て来る。すると実際の支払金額との差額が出て来て、難航する事案が多い。やっと技術的な範囲や復旧方法が決って話が進み出すと保険会社の査定担当者と打合せの上、鑑定書の本紙が完成する。最近は、各社保険の約款がバラバラで、その都度約款を熟読しないといけない。 我々は裁判所に呼ばれることや法定代理人の仕事をする場合もある。辛い仕事だと悩む時もある。精神的に窮地に追い込まれる時も多々ある。適正な賠償額算定や適正な損害額算定の為には明確な根拠が必要であるから、自分が起こした事故でもないのに、被害者から叱責を受けたりしても辛抱して、相手の言い分を聴取して、答えを出さないといけないのである。資格を取ったら誰でもできるという風潮の話についてはまさにコロンブスの卵である。資格を取って、 最低この仕事を10年以上やって議論できる立場と考える。小生は現在23年この仕事を続けている。いまだに馴れない。23年やっても、人間の心を捨てきれず、叱責やおどしに腹が立ってしまう。現場では我慢するが、ストレスとなって 残ってしまう。過去に出会った尊敬する査定担当者や尊敬する鑑定人の人々にまだ、追いついていないのだなと考え、日々を生きる。
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