平成22年1月13日 BASED ON A TRUE STORY 17年前の事である。ある借家が半焼した。半焼といってもその焼失面積は約40%程であった。消防の罹災証明も半焼と記載されていた。 小生はその損害額認定に当たり、焼けた部材の取替えと消火注水で濡損、汚損した部材も取替えで算出し、原状復旧に見合う損害額を認定し、保険会社を通じ、被保険者に金額提示した。 焼損の仕方が横に広がらず、1階から2階へ上がった為、借家半分 (2世帯入居の内1,2階が1世帯)が焼損し、1世帯分は延焼を免れ、内装と一部の手直しで済む状況であった。損害率は逆算するとその60%程度の被害であった。 当然、損害額は保険金額全額では無いが、被保険者が納得せず、全焼全損を主張し、販売代理店の方も全損主張であった。 被保険者と面談し、説明し、最後は了承を得られ、当該建物の保険金は保険会社から支払われた。説明が難航し、しぶしぶ納得した様子は今でも記憶に残る。この後、この代理店の方はこの件とご高齢という理由でリタイヤされ、小生は胸を痛めた。果たして小生の算出した損害額が正しかったのかという失望感で、毎日悩んだ。半年程経ち、別件の現場で、その焼けた建物を道路から見た。きっと、解体し、更地になっているものと思い、まるで追跡調査みたいな心境であった。 真実は意外にあっけなかった。建物は焼損した縦半分を解体し、残った半分の外壁を手直しし、入居者が存在した。やはり、本件は全損では無く、半焼で判断したことは間違い無かった。被保険者からあれだけ全損主張をされ、罵声を浴び、それでも立場上、耐えた小生がこれだけ心を痛めたのに、単なる分損で修理可能で見事に修理され、既存の建物は存在する。そして17年経過した今もその建物は面積が半分のまま借家として機能している。結果として、小生の判断は正しかったのだが、1人の販売代理店の保険代理業リタイヤに追い込んでしまった様な気がする。 その方が今、ご存命であれば、その建物を拝見頂き、真実をご覧になって頂きたいが、だからと言って17年前には戻らない。真実は極めて残酷なものかもしれない。
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