長崎の火災鑑定会社 長崎火災鑑定工業有限会社
長崎火災鑑定工業有限会社プライバシーポリシー会社案内

トップページ

業務案内

鑑定人とは

邯鄲の夢

会社案内

個人情報取り扱い

お問い合わせはこちら
会社案内

  身から出た錆
 辞書には「刀身から生じた刀の錆。自分のした悪い行動や過失の為に後で自分が苦しんだり、災難を受けたりするという事をいう。自業自得。」と書いてある。『身』という言葉は『身体』では無く、『刀身』の『身』である。日本刀が好きな小生に言わせると、この意味は普段から刀の手入れを怠たり、錆ついてしまう事をいうのであろうと考える。確かに刀身についた古い油や埃を打粉でふき取り、新しい油をぬる作業が1週間に一回やっておかないと刀は錆びる(埃が無くても、油が劣化する)。空気中の湿度が刀身によくない。鞘に入れてあるから大丈夫では無い。鞘は木材(朴の木,ホウノキ)で水分を吸うから結果、湿度を帯びる。日本刀の保存はエアコンの効いた室内保存が肝要である。
最近、若い女性の方々が『元の鞘へ収まる(納まる)』を『モトサヤ』とおっしゃる。本来の意味を理解して使っているのか甚だ疑問である。鞘と刀はセットであり、すべてオリジナルである。刀には反りが一本一本異なり、違う鞘に違う刀は入らない。少し似ているからと違う刀身を違う鞘に入れてみましょう。途中で必ず、引っかかる。ビジネスマンが上司と『反りが合わない』の表現通りである。
伝統ある日本人の魂である日本刀を除外して、ここで、金属を科学的に考えると錆は身から出るわけではない。鉄という一例について考えると、鉄の寿命を支配する唯一の因子は錆という酸化反応に尽きる。
鉄Feと酸素O2が結合して酸化鉄となる化学反応であるが水(H2O)が存在して始めて電気を帯びて反応する。
それでは本題に移る。機械保険普通保険約款第1章第2条第2項(3)
「腐食,さび,侵食またはキャンビテーションの損害…」と出て来る。
我々鑑定人は「錆」について無視してこの仕事をする事が出来ない。
台風の損害でもよくある事故報告が「海水が強風と共に飛んで来て、ベランダの手摺りが錆びた…」と目にする時がある。
もちろんこれは、保険金支払対象外であるが、なぜ、それが支払えないのかは前述の通り、ただの酸化反応にすぎないからである。強風に因る破損では無い。
先人は昔からこの現象を回避する為に塗装を施したり、現在は鉄程腐食しないアルミニウム合金等の手摺が主流である。鉄が悪くアルミが良いという話では無い。耐腐食性についての議論である。
オリジナルデザインの手摺を作ろうとすれば、溶接のできる鉄が加工しやすい。曲げ加工も鉄が一番(アルミニウムのアルゴン溶接等の話は別にして…)である。我々が考える建物という事に限定すればの話である。鉄筋コンクリートはなぜアルミ筋コンクリートにしないのか?それは簡単には説明できない。深く、広いテーマである。解り易く、材料力学的に説明すれば、『鉄筋は引張りに強くコンクリートは圧縮に強い』である。機械工学課で、鉄筋コンクリートの理論を習った時はなんで?それは建築工学科の授業でしょう。とよく思った。習ってみると、応力や数式で物理的に、数学的に材料についての理論であった。少なくとも、鉄筋でこれだけの理論の基考えて創造された沿革のある鉄筋コンクリートをいじって他の金属は使用できない。保険における鑑定業界はすぐ、反論として重箱の隅を突かれる。それでは鉄骨鉄筋コンクリートはどうなのとか鉄骨造はどうなのとか……
 阪神大震災での現場調査で様々な建物の被災状況を目で見て触れて感じて調査をしたが、実際の現場では理論を超えた損害に驚いた。戦時中に建てられた建物は鉄筋の代わりに竹を使った等と言われていたが、少なくとも小生の調査した現場には無かった。
 我々鑑定人はいろいろな構造物を見るが、建築業者やメーカーは実務での経験値があるから、それは説得力がある。しかしながらメーカーの企業秘密であるノウハウを提供する訳が無い。我々鑑定人の理論は地震における耐震性と免震構造の現場調査の結果論と体験論という経験上のそれと書籍で書いてあるそれである。
理論上、鉄筋コンクリートの中の鉄筋は錆びない。でも錆びてある現場もあるからなぜだというと、その原因について、数々の文献による反論が返ってくるであろうと容易に判断できるから興味深い。小生は日々現場での破損箇所を調査するが、あくまでも、経験上の実例に他ならないから、こうして文章にするしか方法が無い。わかりやすく元の話にもどそう。錆の話である。太平洋戦争で同盟国のドイツで鉄の加工を勉強していたという諫早市の○○さんがおっしゃるにはヨーロッパの特にスウェーデン鋼は切削加工した後、屋外に放置しても錆びにくい、鉄の純度が高いせいだと言う。事実、同鉄を使ったオーリンズ社のサスペンションの性能の良さは鉄の純度が高いせいかもしれない。実際にはサスに塩化ビニルの被覆をしてあるから、錆たかどうかは体験していないが、同氏の熱く語るスウェーデン鋼の実務の理論は説得力があった。そして何より零戦開発に携わった旧日本海軍技師が言うから実戦に則した見解に他ならない。日本刀を鍛えるのは不純物を抜く為と考えるとこれまた同氏の意見の裏付けになる様な気がする。同氏は戦犯扱いを受けシベリアに抑留された話をしながらトイレは和式がいい、清潔である等と一般受けする話を交えて語るから、話している内容にうなずく自分がいた。同氏と知り合ったのは機械保険のビル包括の事故の時であったから事故原因の究明に一緒に協力しながら聞きかじった話であるが、同氏はボルボの外車で現場から去っていった時はまた納得を得た。
小生が好きなオートバイはそれはそれは軽量化の為に様々な軽量のアルミ合金のパーツがある。ボルト1本取ってもポジポリーニ社のアルミボルトは軽量でそこそこ強度もある。アルミも基本的には腐食するから、アルマイト加工等の表面処理をしている。先人は土(ボーキサイト)から金属を創った偉大な人々である。
 その2種よりも強度が有って耐食性に優れたタイタニウム合金(チタン)はまた別の機会に触れる。※チタンは高価で驚く。
蛇足ながら、「元の鞘へ収まる」は「納まる」と書きたい。
小生が高校生の時に居合道を教えて下さった尊敬する前田先生は抜いた刀を鞘に入れる事を「納刀」とおっしゃった。腰に差す事を「帯刀」と教えてくれた。ならば「納まる」であろう。


長崎火災鑑定工業有限会社
〒850-0003 長崎県長崎市片淵5丁目11番1号光コーポ105号