地震保険の文章を書くと、すぐその支払基準について記載される場合が多い。 そこで、その基準を除外して、被害の実態について述べる。 ある程度の震度(震度5強)で、地震が発生すると、木造住宅の屋根瓦は事実上、棟が畝って崩れる。その後、軒瓦,棧瓦の落下の順番である。 切妻の場合は特に、地震の揺れが建物中央により、棟から破壊する。 もちろん寄棟の降り棟も同様に雁振(丸瓦),のし瓦である。面戸の漆喰が剥離, 剥落するのも言うまでも無い。 雁振瓦,軒瓦が落下して、軒樋(塩ビ)を割損させても、これは地震保険においては認定外となる。 他方で、地震により給水管が破損しても、これは認定外となる。エコキュートが倒壊したり、犬走りや玄関ポーチやアプローチのタイルにクラックが入ったりしても同様に認定外である。テレビで議論されたブロック塀や門柱,門扉,カーポートの損害もまた認定外である。ご存知の様に、あくまで主要構造部の損害に因る認定である所以である。 一部傾斜した家屋でその被害に落胆する被保険者もいらっしゃるが、金銭的負担を除外し、復旧という考え方で行けば、建物が傾斜した木造建物であっても、「家上工事」という工事で建物の傾斜を無くし、復元も可能である。「ジャッキアップ工法」が一般的である。 「家上工事」自体は地震等の不同沈下した建物の復旧のみならず、区画整理等に伴う曳家工事や土台,床組の湿気を無くす為に昔から施工されて来た。 別に新しい工法では無く、九州には以前から普通に存在し、同工事の専門業者も数多く商売していた。(もちろん他県もそうであろうが) これだけの震災(3月11日:東北地方太平洋沖地震)の被災地で地震保険の 鑑定業務をするのも16年ぶりであるが、今回は地震に因る火災の調査を経験しなかった。阪神大震災の調査の時は地震に因る火災で全焼した家屋の調査も経験し、専門である焼場を体験したが、前回は津波の損害調査は無かった。 毎日が地震保険の調査で忙しく、大変で、体を壊しそうであったが、被災者の気持ちを考えると、そうは言えず、ただ、被災地の調査に赴く日々を過ごしている。 平成23年8月16日
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