No rose without a thorn.(よい成果は努力しなければ手に入らない)
損害保険の使命は偶然な一定の事故によって生ずる損害を填補することにある。被保険物件に損害が生じた場合に損害発生直前の状態に回復させる事である。ここまでは正しい。 即ち、ここで修理代が担保される意味というのは誤りである。 約款に従い計算すると、保険の目的が建物で有れば火災等の罹災で、 その建物の復旧において動産(例えば20tの印刷機械,今回付保無し)の移設をしないと建物の復旧ができない場合、その機械の移設費用¥5,000,000が建物の保険で担保できるかという疑問にぶつかる。 もちろん機械に保険が付いていないから、機械の移設費用は不担保である。 わかりやすく言うと、一言で、この問題を解決すると、 『建物の保険価額に機械は含まれていないからである。』 損害額は保険価額に生じた損害を担保するものである所以に他ならない。 この様に現実に機械の移設費用が必要であっても目的外という観点から査定すると、保険が付いてない機械については支払いができない。 更に言うと、保険の目的が建物で、その建物の所有者がオーナーとして別の人間が存在し、機械の所有者が賃貸人(入居者)の場合はもっと明白であろう。 「保険は現物支給ではない。損害を金銭に評価するものである。」と保険の原点に戻る。元来修理費も新価であり、時価損害額である。(※新価払いの保険を除外して述べる) 前に述べた残存物取片付費用保険金にしても復旧に当り、付帯する必要な項目(産業廃棄物処分費等)であるが、損害とは認定しないのも原点である上述の「保険は現物支給ではない。損害を金銭に評価するものである。」の通りである。 以前、保険価額については述べているからここでは省略するが、近年、この議論があまりされなくなった。この様な発言をすると、小生が古いとおっしゃる御仁が多くなった。『まあ、実際に復旧に掛る費用だから、払っていいんじゃない。』という関係者からの発言があるが、『機械の移設費用に¥5,000,000ですよ。』と報告すると、『やっぱり駄目だ。』と回答が来る。『金額の程度問題だ。』と主張するのである。 『そんなことは無い。金額の大小によって、払えないとか払えるとかその考えは間違いです。』と小生が主張すると、『原状復旧が目的だから、ある程度の金額であれば認めて、金額が張る場合は別途考慮する。』という考えとのことであった。火災保険の考え方について議論しているが、機械保険の約款をここで引っ張り出して説明する。機械保険のビル付帯設備包括契約等は約款第3条に (保険の目的以外のものの原状復旧費用)は300万円を限度として、復旧の為であれば、目的外のものの費用も支払い可能である。物事はある一面だけを取り上げて議論することは危険である。 一方で、機械保険の損害について述べる。ある機械が不測かつ突発的な事故により、破損し、修理する際、現場である建屋から搬出して工場まで運搬して修理するしか方法が無かった場合である。建物自体に損害は無いが、機械を搬出する際、建物を解体しないと搬出できない事故であった。 この時の建物の解体費用と機械の修理後、同工場へ搬入された後の 建物の復旧費用が機械保険で担保できるか?という企業案件であった。 もちろん建物に保険はついているが、火災保険では対応不可である。
この解答はあるベテラン査定マン(昭和63年の話なので、パーソンは使わず)が明確な答えをして下さいました。ここでその答えの発表は差し控えますが、ここでその 答えを言うと、異論が出てきて、本業に支障が出ます。興味が有る人は小生と 面談した際に質問下さい。多分会う事はないでしょうが、、、、
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