Continuation is the power(継続は力なり) 今から20年前、先輩鑑定人と保険会社に挨拶に行った。その時、その先輩鑑定人にむかって、保険会社の火災新種の課長が『Aさん、失礼ですが何年目ですか?』と質問なさった。『若干、27年目です。』とジョークを交えて返答された。尊敬する先輩が27年のキャリアを軽くおっしゃた。小生は当時まだ7年目、A先輩はよくぞまあ、長い事やってるなあと思いつつ、まさか自分がそのA氏と同じ27年目に突入し、鑑定の仕事を続けているとは考えも及ばなかった。 その方と同じキャリアに達しても、多分その尊敬する大先輩には追い付いていないと日々反省する。さて、残存物取片付費用についてである。 保険の目的である建物(近年,各社の約款では保険の対象という)が全焼または全損となった時はその全部の解体工事費用が該当する。 一般にこの解体工事費用は筆者が居住する九州の長崎においては解体専門業者が多数存在しており、見積書をよく入手する機会が多い。工事費の単価やその相場等も皆様よくご存知と思う。 最近、残存物取片付費用保険金(以下残取と書く)であたかも簡単にわかる様な発言の諸氏が多く、小生の質問に答えきれない業界人がいらっしゃる。小生みたいな老人の経験値を学んで、自分の物にして、仕事に役立ててほしいものである。鑑定人になって、5年程経過すると、少々、技術,知識,処理能力が向上し、処理優先となり、基本を忘れるのは仕方ないのかもしれない。 質問1『基礎工事含まず契約であるが、パワーショベルで解体すると目的外の基礎の解体費用が含まれてくるが、その部分はどうしますか?』 質問2『見積書の中に整地費用(整地する重機費用や、砂利を敷設する費用)が計上されているが、この分は支払いできますか?』 質問3『産業廃棄物処分費用の不燃材,難燃材,可燃材の㎥単価は?』 質問4『産業廃棄物処分費用の不燃材,難燃材,可燃材の㎥数の算出方法は?』 この程度の質問にすぐ答えられないとベテラン鑑定人とは言えないと考える。厳しい意見かもしれないが、小生の尊敬する先輩鑑定人や立派な査定パーソンとは喜んで議論した内容である。過去には居酒屋での議論はこういうことが多かった。優秀な鑑定人は資料を添付して答えてくれるから解答は割愛させて頂くが、議論は大切なことであろう。 近年は郵送物のデリバリと同じく、事務的な仕事の依頼が多くなり、 各種費用保険金の沿革やその約款上解釈から実務への金額の算定方法は議論されなくなって来た。寂しいものである。○○火災みたいに、残取不担保,臨時費用20%,失火見舞費用無し、、、等の時代には損害保険金の重みがシビアであり、トータルでいくらでは無く、明確な説明が必要であった。ましてや価額協定保険を除外すると、全て時価保険で、損害額も当然時価損害額であり、保険者,被保険者,修理業者,契約を締結した代理店すべてとの打合せが必要な時、なぜ残取がこうなのという話合いの場がもたれた。 協定に難航すると足しげく面談に向かう為、その内、関係者と顔見知りとなり、最終協定は保険会社の査定パーソンと笑顔で現場を離れ、円満協定となる場面も多々あった。 追伸(postscript) 残取の質問事項の解答は小生と面談する機会が有る人のみ、お答えします。答えを文章にすると、すぐ、異論が返ってくるこの業界では、通常業務に支障が出るので、、、、もちろん企業秘密にするつもりはありませんが。 平成25年3月13日
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