従業員と家財の目的の範囲について議論した。約款には『被保険者と生計を共にする親族の所有する家財で……特別の約定がない限り、保険の目的に含まれます』と記載がある。 じゃあ、同棲しているカップルで後日結婚の予定があり、結婚を前提に同居している場合、賃貸借契約書に記載の無い女性の家財は保険の目的に含まれるのか? 答えはイエスである。最近は滅多に言わないが、いわゆる『内縁の妻』である。 内縁の妻の家財は被保険者と生計を共にする同居の親族と考える。 反して、同一の建物内に収容されている家事使用人,住込み店員など単なる同居人の所有物は保険の目的に含まれない。 保険業界では常識的にこれら同居人の家財を保険の目的に含める時には『○○分家財を含む』と明記しないといけない。 それでは夫婦仲が悪く、今現在、別居中で、ご主人のみ暮らしている一戸建ての住宅内の家財の目的の範囲について議論する。 当然、子供と妻は大きな家具を残して、家を出ている。妻と2人の子供の家財は残ったままである。火災で全焼し、家財の保険金の請求の中で妻と子供の家財は請求できるか? もちろん、問題無く、支払い可能である。 『事実は小説より奇なり』の通り、妻と子供が出て行ったこの家に御主人の愛人が転がりこんだ場合等が現実の現場では起こる。 愛人の家財は保険の目的に含まれるのか? 、、となる。 答えはノーである。 わかり易く述べると、愛人はただの居候で、単なる同居人と考える。 ところが、現場では現行の妻とは離婚予定で、現在同居している女性と再婚する予定であるから、いわゆる内縁の妻と主張される。だから愛人の家財も保険の目的に含まれるという考えである。 その考えが正しいと仮定すれば、離婚前の妻と子供の家財は除外して考えなければならない。そんな時は約款に戻る。被保険者と生計を共にする親族の所有する家財に限定すれば、愛人の家財は親族では無い人物の家財である。やはり単なる居候の家財である。 誤解の無い様に申し上げるが、離婚や愛人の存在を否定しているのでは無い。人間である以上、その様な色恋沙汰は小生にとっては不思議でもなんでもない。本件は目的論の解釈についての議論である。 弊社従業員の質問も多岐に渡っていたが、『同性愛』で男性の一人住まいの賃貸アパートで同性愛の御仁が転がり込んで、一年以上経過している場合の家財の目的の範囲は? この同居人の家財は含まれるのか? 日本国の法律上、残念ながらこの二人は婚姻届の受理は不可能につき、『内縁の妻』とは 判断されない。従って、保険者に連絡して『○○分家財を含む』として明記して保険金額を増額して追加保険料を支払って、クリアにすれば問題は解決である。 There is no royal road to learning insurance.(保険学問に王道なし) 平成25年4月25日
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