
木造サイディング張瓦葺 平屋建 専用住宅1棟99.00㎡(30坪)で考える。 3寸5分勾配で和瓦葺き、軒の出600m/m √(10²+3.5²)=10.5948 ∴10.5948÷10=1.05948 ≒1.06倍 屋根面積は(9.39×13.29)×1.06=132.28㎡ 簡易積算方では建築面積99.00㎡×1.4倍で =138.60㎡ 正確な面積とほぼ一致する。 几帳面な方々は138.60㎡-132.28㎡=6.32㎡となり、 約6㎡も違うとのたまうのであろう。 しかし、実は1.4倍の意味は2つ有る。 理由① 屋根には棟、軒、ケラバと 役物が有り、施工単価で乗じる時 トータル金額がわかれば良い為、 アバウト積算見積りに使用できる。 ※元来、瓦店が見積りする時に 延○枚である。 理由② 法則性を重んじる日本人は 覚え易いゴロ合わせがいい数字で 1.4倍とする、π=3.14と大差ない。 あくまで瓦の面積算出方法であるが、彩色石綿セメント板(一般にコロニアルと呼称される。メーカーの商品名がたちまち一般呼称で通称となった。過去にはメーカーによりフルベスト,カラーベスト等いろいろな商品名が存在し、法務局で登記するとスレートとなる)については後日述べる。
長崎県の瓦店の見積書を入手すると平瓦○枚,軒瓦○枚,袖右左○枚 巴瓦○枚で数えて、軒瓦は平瓦の3倍(枚立),袖瓦は2.5倍,巴瓦は6倍で計算する。 風災でセメント瓦が平瓦1枚,袖瓦1枚,巴瓦1枚のみ破損した場合は 1×1倍×1×2.5倍+1×6倍=9.5→延10枚となる。 だから10枚×単価200円/枚=2,000円となる。 3枚しか破損してないのに10枚カウントはおかしいなんて言うと、建築業界ではど素人である。 一般のお客様には説明しにくい役物換算であるから見積書には 瓦材料代一式2,000円の計上となる。あくまで業者間取引の延カウントである。 添付例で瓦の延枚数は実は2,376枚なのである。 実際に屋根に登って数えてもそんな数字にはならないが、上記延カウントで計算すると受け入れがたい物理的に数字の合わない枚数となる。
知り合いの工務店が長崎市の中華街の屋根工事で中国風の屋根を葺く際に、中国の職人を招待し施工させたところ、瓦が足りなかった。 その社長が言うには図面と照らし合わせて、瓦屋と綿密な打ち合わせをし、100枚程余分に瓦を準備したから足りない訳が無いはずだった。その社長が施工現場で職人の施工を見て驚いた。棟の施工で 熨斗瓦(のし瓦)を切断しないといけない時に、中国人はハンマーで割っていた。割れ方が失敗すると廃棄する。 何枚も割って、これだという瓦を漆喰で固めていた。おいおい、カッターで切れば正確に、そして廃棄する瓦なんてないだろうと考えたが、その職人は落として割ったり、割れ具合がいい瓦を材料として使ったり、とにかくロスが多い。 異国の文化の違いを垣間見たと言って嘆いていた。恐るべし瓦葺職人である。 社長曰く。『あの野郎は2度と呼ばない。長崎県人でやればよかった。』 この例はあまりに極端な実例であるが、瓦の施工では割れ損するロスも見込んで見積りしましょうといういい教訓となった。 瓦道は奥が深く、日々勉強である。ちなみに保険業界で一番嫌われる 『吹込み損害』の根本的理由の中に、『瓦に防水性は無い』ことを頭に入れて鑑定しましょう。防水性が無いからルーフィングを敷くのです。
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