火災現場に赴くと、そこには魔物が棲んでいる。そう、それは『煙害』という名の魔物である。 類焼先であるから大丈夫、焼けは外壁廻り外壁のみ、軒樋は溶けて建具内硝子は割損しているが、内装は焼けていない。 安心していると修理見積書が出てきてビックリする。そう室内の内装にへばり付いて汚損した煤の付着、『煙害』である。天井や内壁がビニルクロスであれば、拭いても汚れは取れない。程度問題という御仁もいるが、煙害に遭った内装のビニルクロスの煤はきれいにはならない。そして煤臭い。保険上、臭気損害は不担保であるが、煤臭い部屋のクロスを指でなぞってみると小生の清潔な指に黒く煤が付く。 汚損は保険金支払い対象で問題無い。キッチンや浴室のタイルを見るとなんと 白い目地が黒くなっている。これもタイル表面は洗いできれいになるが、目地は無理、遣り替えである。 当然、消火注水で床のフローリングが濡損し、膨らみ、畳が水濡れ汚損している。消防士の消火活動で土足で踏みにじられたカーペットも存在する。 保険会社のサービスセンターに提出する為、写真を撮影した後、プリントすると それは綺麗に写り、現場の煤の付着状況が薄い灰色のクロスに見える。 これでは現場の臨場感が伝わらない。 そう、それが煙害という魔物である。 損害範囲と業者の修理範囲の㎡数が異常に異なることを追及すると同じクロスが既に絶版(生産中止)になっているからと家全体のクロスの取替え見積書が出てくる。そう、それも『便乗修理』という魔物である。 免災になった部屋の分まで請求がある。もちろん認定等しないが、、、 ここで終われば被保険者との議論でなんとかなるが、たまに 『グレードアップ』見積書という魔物も出てくる。 消火注水で瓦がずれて将来的に雨漏りするかもしれないという不安から被害がなくても瓦の全面葺き替えの請求という『被害妄想的取替え』という魔物も登場する。 鉄筋コンクリート造の場合、躯体の強度が落ちたという根拠の無い理由から 『全損要求』という魔物もたまに出てくる。 火災現場いわゆる焼場には様々な魔物がいる。 ※ちなみにRC造の強度問題は非破壊検査で調査可能である。心配は全くいらない。 霊魂等はいないはずの近代科学の発達した日本であるが、幽霊や魔物は人間が作り出した創造いや想像の産物かもしれない。 技術論文が比喩的な超現実的な文章で申し訳ない。実は小生が魔物であるかもしれない。 平成26年10月10日
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