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  付着損害
桜の花が散ると弊社駐車場が花びらで汚損を被る。
きれいな桜も散ると社有車のボディーにこびりつきなかなか取れず、
洗車費用という金銭的負担が発生する。致し方ない。
台風の去った翌日の朝一番の調査、結婚式場の被害現場で嵌め殺しのガラス窓にびっちりと木の葉がくっつき、笹の葉もこびりつき、お客様商売の為、足場を組んで大きな硝子の清掃をしたいから保険の対象として払ってくれと言われた。8年前の台風損害での調査中のことである。
『そんなのダメに決ってんじゃん。』と言いたかったが言葉を選び、
風災とは風の被害で何かが壊れる破損を前提としており、木の葉の付着の除去作業費用は不担保ですと丁重にお断りした。まあ、ほっといてもいつか木の葉は風で剥がれて飛んでいく。支配人に真面目に質問されたからお答えしたが、30万円程掛けて、直ちに清掃の手配をしていた被保険者に説明、ご了承頂くのは困難を極めた。現場に同行した代理店も小生に真面目に質問してきて
約款のどこに書いてあるか?と言い出す始末。確かに高さが6mもある全面ガラス張りのロビーの窓が緑色になる程、木の葉,笹の葉びっちり、まるでラピュタ状態であるから気持ちはわかる。
『付着損害』を払うと約款に明記はされていませんと反論する。
 この様な常識的やり取りは鑑定書にも鑑定料にも反映しないが、現場では苦労している。同代理店は火災新種課に聴いてみるといい、携帯電話で問い合わせしていた。『鑑定人の判断にお任せしている』と査定が発言したらしく、小生が現場では極悪人の立場になっていた。ホテルの支配人,設備管理担当部長,その他スタッフ,代理店全員が小生を敵とみなす。
 保険の適正払いの為の努力はあまり評価の対象では無く、我々鑑定人が黒子である所以である。明るい性格の小生はまあ他にもご被害が有りますから、全体を調査させて下さいとお願いし、建物の屋根に登り、調査をしたら陸屋根のシート防水が飛散物で穴が開いていたり、パラペットの笠木は飛散していたり、外壁は捲れていたり、深刻な損害が発生しており、ざっと計算しても概算で3000万円超の被害であった。そうなのである。葉っぱなんてどうでもいいことなのである。
 一部分の見易い被害に固執して、損害を語るのは良くないことの事例である。付着損害より、外壁の事を心配しろよと考えた結果、
『支配人、屋根,外壁に深刻な被害が発生しています。もちろんそれは損害保険で対応可能な部分です。現実に外壁損害を復旧する際に外部足場を架設しないと工事ができません。保険で対象外であってもその足場を利用して葉っぱを除去すれば、格安ですよ』とアドバイスして遅いランチを食べに現場を離れた。同行したプロ代理店と食事をしたがあの時、ハマベさんを悪人扱いしたがすまない。でもそうしないと保険の代理店の立場が悪くなる。ビジネスである以上勘弁してくれとおっしゃった。『スケープゴートになる時はよくあります。それは鑑定人である以上しょうがないですよ。』と返答したが、まあランチのまずいこと、早く帰りたいと思った。
こんな事があるから若手鑑定人がすぐ辞めるんだろうと考える。
正論を述べて、極悪人になる。いつかは誤解が解けるが気持ちのいいことでは無い。 幼少時、ロマンティストの少年だった小生、どんどん心が廃れ、ひねくれて行く。ロートルになっても、それでも人魚はいると言い続け、ピュアな心を保ちつつ現場に向かう。     平成26年10月14日


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