ラジオスターの悲劇 Video killed the radio star.という歌が小生の高校生時代に流行った。バグルスの曲である。 悲劇はトラジディー(tragedy)なのにどうしてこの英文が悲劇になるのであろうか?と思う方は歌詞を和訳すれば良くお分かり頂ける。 これにちなんで 鑑定人の悲劇と題する。Net killed the Loss adjuster. インターネットが普及し、我々ロートル鑑定人の過去の資料やメーカーカタログ,メーカーの単価表,実物の写真とそのコメント,極秘資料,業者に頭を下げ教えて頂いた歩掛りの算定法等‥は工事費(手間)を除けば、その施工方法や部材の単価はネットで検索可能である。もちろんすべてとは言わないが、、、 最近の同業者は業者見積書が提出された後、部材の単価はネットで検索する鑑定人が多い。便利になったものである。その昔は鑑定事務所に保存された過去のメーカーのパンフレットやカタログ、販売代理店や建材店の単価表などを本棚から探し出しその妥当性のチェックをしていた。わからない時はメーカーに直接電話して聞いていた。 15年程前は知り合いになった業者に聴取したり、販売店や建材店に定価では無く、実勢価格の単価を聴き取りしていた。もちろん、見積書が高すぎる時は『なんでしたら、ウチの知り合いの業者を紹介しましょうか?』等と自信を以て、発言していた。人脈って大事だなあなんて思っていた。ところが今はネットで建材の定価から市場価格までネットで調べることが可能になり、その様な人脈も不必要になりつつある。ただ狭い長崎、知り合い業者と縁が切れる訳も無く、未だにつき合っている。『あそこの業者はやばいよ。モラルだよ。』なんて情報はスムースに入手できるから損では無い。 ネット検索での部材の単価調査を否定しているのでは無い。工事費や手間は現場経験が無いとその妥当性が検証できないからすべてネットに頼るなということである。インターネットはひとつのツールであって鑑定業界ではすべてでは無い。鑑定事務所の書棚がスペースが空いて、文献が少なくなることは未だに否定せざるを得ない。 被保険者とはたまた修理業者と話す時、『ネットではこうだ。』が通用しないことは身を以て体験している諸子の悩みを時々耳にするが、現場の仕事は机上論では納得頂けないことを敢えて断言したい。 このコラムを読んで下さっておられる業界人は多分、小生に否定的な御仁も多々いらっしゃることを容易に推定しつつ、ロートルの戯言と聞き流してほしいものである。 平成26年10月22日
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