Don't count your chickens before they have hatched. 『卵からかえるまでひよこの数をかぞえるな』が直訳で、 和風に表現すると『とらぬ狸の皮算用』である。 意味を皆様に説明するのは失礼であるから割愛するが。
過去に、保険金を早期に受け取れるだろうということで、見切り発車し、被害のあった機械を購入している被保険者のケースがあった。 約款上の問題で有無責の判断が困難で、約款に照らし合わせて、結局支払ができると判断された事案であった。話が決まる前から早く支払いしてくれの要望が強く、査定担当者も非常に困惑した事案であった。この様な時に限って、質権設定の問題等で質権者の了解を得て保険会社の早期支払いの大変さは今更敢えて説明する必要は無いであろう。 中小企業の被保険者は資金繰りに苦しい時がある。保険事故の発生で、緊急な資金調達や思いがけない出費である。潤沢な資金を持っている大企業と異なり、保険金支払いの迅速な対応をせざるを得ないことはよくご存じと思う。 話が決まった3日後に払ってくれ等、この業界では日常茶飯事である。 住宅物件と異なり、弊社を含めた中小零細企業の社長達はいつも資金繰りで苦しんでいるから、保険事故の発生はそれはもう大変なことであり、保険対応の前に修理に全力投球しないと会社の存続に問題が発生する。 我々鑑定人は至急のレポート提出は必至である。 幸い、日本の企業の約90%を占める中小企業の社長達は損害保険の加入が大切なことは身を以て体験しているから僭越ながら、保険会社の営業店はどんどん保険をお勧めすべきであろうと考える。損害保険が無ければ、保険事故発生時、中小零細企業は瞬間で潰れる場合がある。 小生が損害保険の加入の営業トークをするつもりはないが、中小零細企業は日本の物造りの原点であり、大企業を支えている事実は否定できない。 小生も鑑定業務というビジネスで飯を食わして頂いている。鑑定料が高額な評価鑑定依頼が舞い込み、この仕事を完璧に行えば、従業員に賞与を出してあげられるなんて喜び、調査、算出に力を入れ頑張ると、そこには正に『とらぬ狸の皮算用』の言葉の通り、様々な落とし穴が口を広げて待っている。 営業店の予算の関係や被保険者の既存契約が切れてからの保険加入で、鑑定料の支払いは半年後でお願いしますとなることは普通にある。 法律事務所の弁護士の先生の仕事を請け負った時など、鑑定料支払は原告に直接してもらうことになる場合、原告のご都合で当然勝訴したあかつきにお支払しますなどと世の中のよくある事例である。そうなると、今期の会計期間で現金も無いのに売上として計上され、法人所得税が発生し、税金の建替え払いとなり、弊社のプチ経営危機が訪れる。 税務署に相談に行くと、税務署員曰く『銀行とうまくつきあえ。銀行に借りてでも税金払え』である。 法律に乗っ取り、税務署員の言うことは正しい。しかし、なぜ、報酬の入金が無いのに先に税金がくるのかと人としては悲しく思う。これが『とらぬ狸の皮算用』である。 ※もう、ボーナス払ったのに、、、税金分金無いよとなる。 最近は入金のタイミングが半年後等という次期会計期間入金予定の事案はできるだけ回避しての受注になるようにしている。平成12年に取引先の保険会社が破綻した際、売掛金の回収に10ヶ月を要した苦い経験を常に重いだしつつ経営をしないといけない。 平成26年11月13日
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