This column is based on a true story. 続編である。事実に基づいたコラムである。
『ぞうたんのごと』 標準語では『冗談言うなよ』と訳す。 冗談がなまって「ぞうたん」となり、まるで冗談を言っているみたいだねと解説するのが妥当であるが、前回記載した『バチかぶる』の表現を少し丁寧にし、控えめな言い方。年配者に多い口調。 『気の毒かぁ~』…「気の毒です。恐縮です」が標準語の訳だろうと思われる。 お世話になった人に食事を御馳走したり、メロンを差し上げるとよく発せられる言葉。 当業界では「解体工事が始まった際に再立会いしますよ。」等と言うと被保険者や被害者が本当は何とも思ってないのに社交辞令で申し訳無いというポーズをとる時に使われる言葉。 保険と関係無い日常のやり取りの中で、お祝い等の際に祝儀袋を差し出した瞬間にその言葉を言いながら、手は前に出ていてちゃんと受け取るという動作を伴う。このことは西日本各地で一致する。
『オイばなめとっとかぁ~!』 直訳すると「俺をなめているのか。いい加減にしろよ!」が正式な和訳である。 本音は『ふざけるなよ。もう少し金を出せ!』という意味である。 保険上の有無責が微妙な時に発せられる。 特に賠償責任保険の立会い調査において多々ある。 現実的には『お前が保険会社の査定に言って保険金を支払い出来る様にしろ。』という発言である。 保険の対象にならない時は保険会社に提言しても どうしようもない事を丁重にお伝えする以外にこの状況を回避する方法が無い。
『言いきえん』[I can’t tell you.]…そんな事は言うことができない。あなたみたいにずうずうしく生きていないから、何も言えないと いう意味である。 保険金を出せなんていうその様な不細工な事は言えないという隠された意味合いを持つ深い方言。 長崎県の方言は少しの言語で一般の標準語の何倍もの深い意味を持っており、法律や約款解釈と同様の難解な意味合いをもつ。
我々鑑定人は現場で様々な罵声やお怒りの言葉を頂くが仕事だから耐えるしかないが、前述の様に、方言を熟知しておけば、相手の考えが理解でき易い。 我々鑑定人は『損害が発生したその地その時の価額』に『その地その時の方言』にも留意して鑑定すべきであろう。 平成27年4月23日
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