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  一つの建物 焼場(火災現場) He speaks as if he knew everything.
損害保険料率算定会が出版した火災保険住宅物件料率表という本があった。
 今は独禁法の関係で出版されなくなり、その本の一部の頁が抜粋されて各社のマニュアル化している。
 近年、保険会社に書籍が無くなり、もちろん、法律のからみでこの様な素晴らしい書籍も電子化されたのかもしれない。個人情報保護法により、過去の事案の鑑定書の控えを保存することも当局の指示で不可能となった。
 わかり易く言うと、紙で保存してはいけないのである。もちろんデータ保存はもっと良くない。
 モトカノから頂いたラブレターも個人情報であり、内容は記憶にとどめて、紙はシュレッダー破棄しないといけない時代である。ちょっとジョークを絡めて…

『一つの建物とは、建物の主要構造部のうち、外壁,柱,小屋組,梁,および屋根のいずれをも独立して具備したものをいう。……』
 この書籍には具体例が図示されており、たった2頁ですべての現場の迷いが吹き飛ぶと言っても過言では無い。

平成8年頃、火災現場での出来事であった。
損保社の依頼で『本件は鑑定人のみならず、設計事務所の1級建築士を同行させたい。』と言われ、査定社員と小生と同建築士とその助手計4名で立会調査した。査定社員曰く『広域災害時、1級建築士を起用するが、台風しかやってない。
火災の現場調査の難しい部分をその建築士に教えてくれ。』
 小生の仕事のライバルになる60歳のベテラン建築士A氏になぜ小生が教えてあげないといけないのか?しかも他社の人間じゃないかと考えつつ、現地で調査をすると、
A氏曰く『私は設計専門で机の上で新築の図面は描くが、今既に、建っている焼けた既存の建物の図面は書きにくい。だいたい普段はRCのビルが専門で設計しているからつまらない木造の在来工法なんてわからない。』と上から目線で小生に発言した。

 2階が焼落しているから2階は描けない。だいたいこの間取りはおかしい等ぶつぶつ言いながら、A氏は焼場の間取りを取ることができない。
 
 変に増築されたその建物は確かに焼場の現場経験が少ない人には困難な状況であったと思うが、小生にとっては日常茶飯事の現場であり、増築した部分のモジュールが違い、保険証券の面積と50㎡程異なる等、普通によくある事例である。

A氏は増築部分は保険上無効等と問題発言を被保険者に伝える等、
スタンドプレイ著しく、被保険者の怒りを買ってしまった。
He speaks as if he knew everything.
(彼は何でも知っているかの様に話す)

 査定社員曰く『連れてくるんじゃなかった。』
損害が発生したその地その時の価額が保険価額であり、契約規程の
『一つの建物』理論で行けば、本件の様に柱を共有している増築部分も保険の目的の範疇であり、問題無い。
ましてや増築して面積が増加していることは加入した保険代理店に契約更改の時に通知していた。
 その通知義務を果たした被保険者の意志が契約内容に反映していなかった。
面積はそのままで、増築後、保険金額の増額をしていたからまず、間違いない。
 
『一つの建物』の頁のわずか2枚ですべてが解決する。
この本を作成した方は素晴らしい。火災保険の長い長い歴史の中で、経験を踏まえて作成なさったのであろう。
 火災保険の歴史から鑑みるに、この著者はもう既に他界されているはずである。謹んで、ご冥福をお祈りしたい。
平成27年12月15日


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