『物を受け取らない礼儀』(受け取り拒否の礼儀)
日本人の礼儀として、客人にお茶を出す。 出されたお茶は飲まないといけない。 長崎県において、呼び出して来てくれた客人に『おもてなし』の心で お茶を出す習慣,文化が存在する。 『おもてなし』の考えはオリンピック招致の為の○○クリステル殿の発言であるし、その行為が間違いであれば我国を否定することになる。
お茶を出すことには意味がある。客人にお茶を出すのは急須に入った 既存の茶葉では無く、改めて入れたお茶である。 そこに口をつけないのは茶道の礼儀に反する。ひねくれた言い方をすると「当家のお茶が飲めないのか! 粗茶だと考えているのか!」となる。 九州の現場では出されたお茶には口をつけましょう。礼節である。
さて、翻って、今、はやり言葉でコーポレートガバナンスという言い方で鑑定事務所の鑑定人には被保険者から物をもらってはいけないと指導されることがある。 当たり前過ぎて馬鹿馬鹿しい。現場を知らない人々の発言である。 ジュース1本ですら受け取らない現場の鑑定人を馬鹿にしている。 物を受け取ると、被保険者に借りを作るし、『鑑定人が買収された』と言われるのを回避する為に、いっさい受け取らない。 これは鑑定人の常識、社会人の常識、ビジネスマンの常識である。
暑い夏の日に現場調査終了後、被保険者が冷たい缶ジュースを差し出す時がある。この時は丁重にお断りするか、130円出して買い取りするのが 弊社の常識というか、鑑定人諸子はみんなそうする。 それを今になって、鑑定人としてもうすぐ30年目を迎える小生に指導してくる人々がいる。 物をもらったら、損害額算定に支障をきたすから物品の受領はしない。 ましてや金員(お金)などもっての外である。鑑定人が買収されたと言われかねない。だから、いっさい拒否する。お客様の善意であっても、 冷たく断る。 これも鑑定人の常識である。 今更指導されると腹が立ってしまう。 『そんなことするかよ。物受け取ったら、この仕事できなくなるし、 終わりじゃん。俺には家族がいる』と言いたい。 例えば1,000円を食事代だと被保険者からもらうと、請求額が過剰な時に削りにくいと考えれば、その1,000円は高くつく。 被保険者が提示額に納得できない場合に、『あの時渡した1,000円返して。』なんて言われたら、切腹ものである。 故に鑑定人は物も金も受け取らない。 真面目に調査しても、支払内容に納得しない被保険者等は 現場に来た鑑定人は1時間しか見ていかなかった。あれで何がわかる等言われる。 こちらが、2時間以上調査している事実があっても、いちゃもんがつく。
商品の損害の数量確認に、弊社事務員まで現地に応援として呼び、 被損品の数量を確認作業して、損害額を算定すると、『女をはべらして鑑定していた』と言われる。 『おいおい、俺が雇用している従業員に商品損害算定を手伝わせて何がおかしい。じゃあ、急遽、作業員を雇えば、個人情報漏洩だろう。』なんて思う。 更に、男女雇用均等法に抵触する発言である。 今時、女性鑑定人は普通に存在し、小生が知っている女性鑑定人は皆様優秀に鑑定している。じゃあ誰が大量にある被損品を数えるのか、鑑定人2名でも足りない時は人海戦術で、日々コンプライアンス指導をしている従業員をプラスして、正確な損害額算定に勤しむのである。
『物を受け取らない礼儀』を徹底しているからこそ、この様な本題と離れたことで叱責を受けることにも、平然と対向できるのである。
平成28年1月13日
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