同じ屋根材が無いから全面葺替え要求 The more we survey, the more we discover our ignorance. 鑑定の経験を積めば積むほど、己の無知を知る。
過去に(約8年前)同様の瓦の件を記載したが、本件は別の屋根材の話である。 旧クボタ社のアーバニーグラッサは個人的にはおしゃれな天然スレート調の洋風屋根材で、素敵な外観であると考えていた。 残念ながら、平成17年11月でメーカーでの生産中止屋根材である。 そう、その屋根が台風等で一部の捲れ,破損がでると、同じ部材での修理ができない。
屋根工事店で現行製品のコロニアルスレートを加工して差し替え修理を施している業者も存在するが、僅少である。 個人的には職人の技量を絶賛したい。素晴らしい。 更に、小生の知り合いの長崎市の業者が客の為かどうかストックしていた。 その屋根材のストックを所有してした屋根業者もすばらしい。 同社の社長の性格から考えて、部材仕入れの数量を誤って、単に仕入れた部材が余って、倉庫に納置保管していただけかもしれない。 単なる偶然の可能性が高いが…
保険金請求の現状…
既に生産中止から10年以上経過しており、既存屋根材の劣化も考えつつ、 雨仕舞の関係や後日の雨漏りを嫌い、同種,同能力,類似の美観の屋根材にて全面葺き替えで復旧見積書が提出されて、保険金を請求してくるケースが多い。
竜巻等で方形や寄棟の4面全部が被害に遭い、ほぼ全部飛散し、野地板まで破損していた場合は、同種同能力での屋根材での全面取替えは問題無いが、このグラッサに関しては屋根材として風の流体力学的に性能がいいのか、全面飛散は経験していない。
すると違う屋根材での全面葺き替え費用の請求が必ず来る。 ※保険上問題となる仕様変更のカバー工法の方がまだ良心的な請求となる。 当たり前であるが、損害保険は仕様変更を著しく排除する。
ただ、被保険者と話がつくかどうかは別問題として保険上の整理はすこぶる簡単である。 損害保険の使命は損害発生直前の状態に回復させることであるが、 損害を金銭に評価するものであって、現物支給では無い。 家計分野の場合、新価払い保険であっても、復旧義務が無く、住宅物件は損害認定された金額を以て、被保険者にてん補される。
部分的被害で同じ屋根材が無いからと言って、屋根全面の総葺替え費用は不当利得と考えられる。 この様に書くと問題発言と言われそうであるが、生産中止部材はつまるところ、そろそろ総葺替えの時期に来ている屋根材と考え直すと、1回分の屋根の葺き替え費用が無償になってしまうのはおかしい。
言葉は悪いが便乗修理という四文字が当て嵌まってしまう。 平成28年3月17日
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