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  有機溶剤の塗布による給水配管の破損:ソルベントクラック
有機溶剤の塗布による給水配管の破損:ソルベントクラック

13年前、新築分譲マンションで実際に調査対応し、解決した案件である。
個人情報と企業情報の観点から具体的な所在地や名称は記述しないが、
今後の事故対応やその原因の一部でも鑑定人諸氏が参考になればと思う。
 配管製造メーカーと一緒になって、原因を解明して、その責任の所在を確定した。
 言うのは簡単、するのは大変で、原因究明は辛く面倒くさい仕事であった。

 事例は新築マンショを日本の首都である長崎市の一流ゼネコンが請負した。
この会社は尊敬できる素敵な快適な物件を新築するので、小生は長崎市の誇りとして応援している。
 ところが、引き渡し後にこの事故は起こった。

下請けの工務店が床下配管施工後に床組を施工した際、丁寧に
防腐剤:クレオソートを根太や束に塗布した。ここまではいい仕事であったが、その有機溶剤が給水配管の接合部エルボに大量についてしまった。
 その事に気付かず、仕上材のフロア合板を張り、蓋をしてしまった状態になった。
 給水配管のエルボからの漏水である。コンクリート床スラブと床の間に水が溜まり、新築間もない為、コンクリートに構造クラックが発生せず、階下に漏水することなく、フロア合板が変形して、反り,不陸が発生して事故報告に至る。

 所謂、ソルベントクラックである。ストレスクラック(応力亀裂)の一種であり、有機溶剤(solvent)が加わったときに生じる亀裂現象である。

塩ビ管の場合は、塩ビ継手(エルボ,チーズ)には取扱注意事項として
「クレオソート,殺虫剤,白蟻駆除剤等、継手の材質に悪影響を及ぼす物質を吹き付けたり、塗ったりしてはならない」と明記してあるが、
現場作業時に失念して大工が施工したものと判明した。

 有機溶剤を誤って塗布したからこの現象が必ず起こるわけではないが、様々な偶然が重なり、なる時はなる。
 一般には
①有機溶剤の存在(接着剤の過剰塗布,防腐剤)
②応力(熱応力・接合部の応力・生曲げ,)
③低温下での配管
の3要因が加わったときに発生する場合がある。

ウオーターハンマー現象は今回述べないが、改めて別件で記述予定。

その後の解決方法はあえて記述しないが、この下請けの工務店の大工が責任を問われた。
しかしながら、元請け責任としてゼネコンが対応して、最後は復旧して解決した。
ソルベントクラック発生の防止方法は記述しようと思ったが、近年はネットで記載されているから、あえて述べる必要は無いであろう。

 しかしながら、鑑定人諸氏がネットで調べるにしてもこの現象の名称が頭にないと調べられない。

一石を投じて、鑑定人皆様の実務研鑽を期待したい。

平成28年12月13日


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