地震の雨漏り 現場の苦労は届かない
過去に鉄筋コンクリート造(RC造)の地震保険の立会調査の一例である。 地震保険の損害調査報告書の書式にない部分の経緯書である。
経緯書 平成28年〇月〇日土曜日 午後1時00分~ 代理店:株式会社○○△△社長と共に現場立会調査。
症状として、4階401号室,3階301号室,2階の建具廻りが濡損。 4階401号室においては内壁から大雨の時に、雨水の漏水有りとの由。 確かに濡損の痕跡は残っていた。
各室の濡損状況を調べても、吹込み損害か陸屋根のルーフドレインの詰まりによるオーバーフローを疑い、5階屋根:塔屋に梯子で登り、雨漏り調査をした。
被保険者の主張
被保険者…『地震が来てから雨漏りする様になった。お前ら保険屋が調べて原因をつきとめろ!』
小生…契約者に漏水原因として
1.吹込み損害。 2.ベントキャップからの横殴りの雨の際の雨水流入。 3.エクスパンションジョイントの劣化による雨水の流入。 4.建具アルミサッシュからの雨水の流入。
を可能性として丁寧に説明したところ、
被保険者…『原因をつきとめろ!修理するのにこっちは金が掛るんだ。 鑑定人なら、ちゃんとひとつの答えにしろ!』
小生…医学の世界でも患者を診断して、可能性のある病名を勘案して、 消去法でその病名を断定に至ると思います。
1~4の可能性の中であると思いますが 断定はできないし、はっきり言って吹込み損害は火災保険でも不担保で ございます。 (後で代理店に聴いたら、過去台風時に吹込み損害で払えず、揉めた 経緯あり)
しかしながら、地震保険は雨漏りを担保する内容では無く、 主要構造部 である柱と梁の損害を調査致します。
雨漏りと地震との因果関係は中断されています。 建物全体を調査しても建物にクラック等の症状は無く、極めて良好な状態 です。 傾斜も無く、柱の損傷も無く、問題ございません。 地震後の暴風雨で漏水した事実はあっても地震保険では 担保不能でございます。
『何の為の保険だ!新築して12~13年、雨漏り等無かった。 今回の地震が来てこうなった。』
※一般社会通念を逸脱した暴言の数々、辛抱に辛抱を重ね、丁重にお断りした。 地震保険の調査報告書とこの経緯書を提出したが、担当者からは 1年以上経った今もなんら連絡も無い。
あまりの多忙に、無責の報告書の表だけ見て終了したのであろう。
現場の苦労は届かない。
真面目に仕事をしても報われないという一つの事象である。
平成29年10月16日
|