『業者がこう言っている』
損害額の算定に当たり、修理見積書と認定損害額の差額が発生する要因に修理範囲の問題で数量(㎡数,人工数)で揉める。
被保険者の発言で『業者がこう言っている。業者と話せ!』の発言は 耳にタコができる程聞いてきた。 新価保険の復旧義務の話は除外して、同じ材料が無いから全面遣り替えや同じ建材が生産中止であるから、被害の無い部分も全取替え等、 保険金の請求が賠償責任的に考えられてしまい、損害を金銭に評価する 保険金の適正払いとかけ離れてしまう。
近年、保険会社のSCの担当者の指示で、修理業者と話を決めて協定して 欲しいとの依頼が多々ある。 単価の問題は協定可能であるが、修理範囲が異なる場合は協定不能で あるし、保険金は修理業者へは支払い不可能である。 この様な整理がつかない内に、被保険者を迂回して、修理業者との話は 筋違いである。 保険金額設定はその保険料低減の為にロワーで設定して、損害額はアッパーで 請求されても、バランスが取れない。
皆様ご存じの様に、保険で担保できるかどうかは抜きにして、業者は 客の指示通りの工事をするし、ゼネコンであれば、必ず、請負契約書を交わして工事着工する。
『代理店さんが、鑑定人と修理業者で話を決めて欲しい』と言っているから鑑定人が業者と修理費を協定して欲しいと依頼がある時、 「あのう、修理費を協定しても、本件は比例てん補で金額が1/2しか 支払えないのに、業者さんと協定ですか?協定した後の差額は誰が負担するんですか?」
修理費は新価の復旧修理費で妥当な金額を協定するのが鑑定人の仕事であり、その後の免責金額(自己負担額)や比例てん補は契約上の問題であるから、鑑定人は修理業者と協定すべきであるとの理論の人が未だに存在するから驚愕してしまう。まさに詭弁である。
時価保険の場合、時価損害額で業者と話はできない。 火災保険の根本たる契約や支払い先がわかってない人々が未だに存在していることに、保険業界全体の進歩が見られず閉口してしまう。
もちろん、ちゃんとわかった人々もいるから、きちんとやっている 御仁達の存在も申し添える。
解り易い事例は被保険者が保険金受領後に、こちらと協定した業者と違う業者にて復旧工事を依頼する場合がよくある。
最悪な事例は保険金受領後に協定した業者と違う業者に発注したら、 前の業者より高い見積書の金額になったからと、追加請求して来る被保険者がいる。
そう、火災保険において、修理業者と協定はできない。
支払先の被保険者と話し合うべきである。
平成29年11月16日
|