擁壁とは単なる土留めである
保険事故において、基礎含む契約であるからと、擁壁の損害を請求する人々が現実に存在し、その保険関係者も含めて支払い対象と主張する御仁が後を絶たない。
コンクリートが無かった時代は日本古来の石積式は棚田や段々畑で使用されており、城の石垣は代表的なものである。 この様な石積式は重力式と呼称され、擁壁の自重だけで土圧に抵抗するものである。
土木工事の盛土や切土にで斜面の土砂がくずれるのを防止する為の 土留めがすなわち擁壁である。
擁壁は土圧に対抗する単なる土留めであって、基礎では無い。
長崎の段々畑の石垣や棚田の石垣も土留めである。 棚田に水を張って、よく写真撮影がされてネット上に絶景として その画像が映し出され、世界遺産などと言われたり、 その土留めの石垣の上に多くの灯篭を並べて、夜間撮影されている。
しかしながら、石垣の写真は少ない。
斜面に存在する田畑の有効使用の為の土留めは畑伏図や水田伏図を 描くと理解できる様に、作物の単位面積当たりの収穫を上げる為の 先人の知恵である。
作物が保険業界の被保険者であり、畑や水田が保険者(保険会社)である。
我々鑑定人の存在は単なる『土留め』であって、脇役であり、 斜面ではない平地の水田や畑であれば、土留めの必要性は揺らぐ。
火災等の通常事案のみで鑑定事務所が成り立たなくなりつつある現在、 広域災害等が無くなればその存在価値は薄い。
悲観的な発想では無く、人生の終焉に向けて鑑みれば、 将来、鑑定人は保険会社各社での社内鑑定人採用となり、インハウス化 が進行し、鑑定事務所は無くなるであろう。 生き残った鑑定事務所に難事案のみの外注になるであろう。
自動車の技術アジャスターの大手鑑定事務所が閉所していった様に、、、
何度も言おう、悲観的に発言しているのでは無く、現実を冷静に受け止め年金生活者になるまでの期間さえクリアすればいいと楽観的に考えると経営者としては気楽である。
平成29年12月8日
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