ヘッダー配管(さや管) 日本刀には刀身とその刀身の保護の為、鞘(さや)がある。手に持つ部分は柄である。 太平洋戦争中に日本軍は南方のジャングルで漆塗りされた鞘では無く、鞘を革巻きにして、戦った。 ちなみに日本刀は悪条件に弱く、刀身が錆びやすい為、海軍工廠や陸軍工廠ではステンレス軍刀もあった。現在、悪環境に性能の良いステンレス軍刀には美術品として鑑賞用としては不向きであるとして価値は無いと言われる。 スプリング軍刀(車両のサスペンションの板バネから製作された軍刀)もあったらしいがその実物を見たことが無いので、誰か小生に見せて欲しい。
金属の腐食については後日改めて述べる。
我々が普通に現場立会調査する漏水事故、ある程度の経年がある共同住宅で給水配管や給湯配管から漏水し階下にじゃじゃ漏れし、内装に被害を与える。 漏水箇所がつきとめられず、給水配管を死管にして、バイパス配管を施工 して止水に至る。 我々には普通の事である。
昭和の時代から施工されている給水管や給湯管の配管工事は、 塩ビライニング鋼管を一本一本接着剤で繋いでつないでいく方法であった。 配管が曲る箇所や、直線でも4mを越える部分には継手で接続され、 同継手が数10箇所以上になる場合も多々ある。 従来からのこの工法の短所は、継手部分から漏水する場合が多く、漏水事故のその殆どがこれである。 エルボ,チーズ管等の継手の接続部分の接着部分が接着不良だったり、 応力が継手に掛かることが漏水の原因である。 施工の際、継手が多く発生する為に、新築時に水圧試験をいくらしても 未来永劫、漏水は無い等 有り得ない。
近年、その日本刀を模して製作されたさや管(ポリエチレンパイプ)がある。 その樹脂製のさや管 (日本刀の場合、朴の木) の中に本来の給水管や給湯管(日本刀の刀身)を通すという二重構造の配管工法を『さや管ヘッダー工法』と言う。 特筆すべきは さや管ヘッダー工法は、さや管内部の空気層による断熱により、従来の裸配管に比べて結露が起きにくく、給湯配管では保温効果がある。 中の給水管(日本刀でいう刀身)が樹脂製なので錆びることがなく、軟らかくてフレキシブルに曲がるから曲加工し易い。 塩ビ管や鋼管のように継手が不要につき、エルボ等の接続部分からの漏水の危険性が無くなる。 断水して、急遽通水した際に錆の赤水が出ない。
塩ビ管を使った在来の施工方法と異なり、フレキシブルに曲がる配管が応力集中を回避して施工が簡単になり、作業時間が短く、建物の給水配管と給湯配管が「さや管ヘッダー工法」になりつつある。
日本刀のその形状からさや管と呼称される部分が素敵なネーミングである。 平成30年1月17日
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