外壁設置の袖看板は保険の目的に含まれるのか
ビルの外壁に設置されたステン枠のアクリル電照看板の話である。
建物が保険の目的である時に、独立したポール看板では無く、 外壁に設置された看板は看板の所有者と建物の所有者が同一の 時は、保険の目的に含まれることとして、風災等の保険金支払いの 対象になり、各社支払っている場合が多い。
※喫茶店の開店時に歩道に置く看板は建物から外に出ているから 目的外で保険金支払い不可。
※什器に保険が付いていても収容建物外であり、支払い不可。
ではなぜ、外壁設置の看板が保険の目的に含まれる判断をするのか。
実は過去に議論した沿革がある。小生も若くて真面目だった。
①外壁に直接、塗装をして文字を書いた場合は外壁の一部であるから文字看板は保険の目的に含まれるのに袖看板は駄目だとは言えない。 ②建物の設備の延長線と考えて問題は無い。 ③屋根上のソーラーシステムと同じ扱いである。 ④建物の定義である造作設備の中の付属物であるから支払い可能。 ⑤約款作成者不利の原則 ⑥被保険者有利 …等、①~⑥が議論されて、結局支払い対象と着地している場合が多い。 ※もちろん、各社の判断があるから対象外の保険会社も存在するであろう。
一般的な約款解釈の観点と保険料率の観点から結論だけみる限りでは、 違和感が生じる。 木造建物の保険料とRC造建物の保険料は異なるのに同じ袖看板が 破損して支払保険金が同じでも、その袖看板部分の保険料は異なる。
※まあ、トータルAMTで考えるから体制に影響はない。
しかしながら、個別有無責規定がないにもかかわらず、この袖看板が 目的の範疇でないと否認することには大きな困難を覚えざるを得ない。 袖看板が目的の範疇ではないと明記して規定する約款が無いにもかかわらず、保険金の有無責は厳格な解釈が要求されてしまう。
う~む、じゃあ保険証券に『袖看板含む』と明記すればすべてOK. ※ポール看板含むの明記は反則であるから、悪用しない様に。
明確な根拠が認められないのに、安易に被保険者有利で拡張解釈, 類推解釈の適用の特別な事実認定を行って保険金の支払認定をして 許されるのかと悩んだ時もあった。小生も若かった。
結局、約款作成者不利の原則という一般社会通念の下、 少なからざる違和感があるが、やむを得ないところで支払可能 の指示を頂いていた。
はっきり言って、鑑定人にとって、それが払えるか払えないかは どっちに転んでも痛くも痒くもない。
しかしながら、紛らわしいから営業用什器備品にも保険を付保して いれば、悩まなくていいのにといつも考える。
Another day in paradise.明日もいい天気
平成30年1月30日
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