登記上の住所と住居表示 今更の提言
我が国では登記上の地番と住居表示の2種類の住所の表記方法がある。 債権保全の火災保険契約の場合や質権設定の契約の場合、 保険証券の物件所在地の表記がまず、登記上の所在地となる。 このことが現場に赴く我々鑑定人に一手間掛かる場合が多い。
登記上の住所は法務局(長崎県は長崎地方法務局)で受付る様に 国が定めた土地登記簿上で土地ごとにつけられた番地である。 ※最新鋭のカーナビでも出て来ない。
住居表示は地方自治体が土地では無く、建物を町名・街区符号・住居番号で表記してある。これはカーナビでも表示されるが、自治体によってはそれぞれ他人の複数の建物の住居表示が同じ時もある。東日本の震災調査で経験した。 しかも近年、住宅に表札が無い場合がある。犯罪防止の為仕方が無い。
超カントリー地区は従来の登記上の地番がそのまま住居表示である。これは助かる。
登記上の住所は抵当権設定や保険でいうところの質権設定の情報取得や 税金関係や所有権の土地を表示している。
住居表示は消防署の消火活動の利便性や警察署の至急対応に連結する様に地方自治体が定めている。 いづれも正しいが、鑑定事務所の現場要員としては保険証券にどちらも記載して欲しい。
保険証券の住所に登記上の住所しか記載が無い場合、(被保険者にこの様な知識が無いにも関わらず)、電話で「ゼンリンの地図やグーグルマップでヒットしないから教えて下さい。」なんて言うと、 『保険屋が物件の場所がわからんとはどういうことか!保険を付ける時に確認しただろう』とお叱りを受けることもある。
残念ながら、保険契約締結は損害保険代理会社であったり、金融機関が多い。 弊社が物件を確認し、契約したわけではない。鑑定事務所だから しょうがない。
被保険者の苦情を保険会社にお伝えしたところで何の解決にもならない。
日本にはひとつの建物という物件で2つの住所が存在する。 諸外国には無い制度である。 昭和37年に「住居表示に関する法律」で制定されており、どうしようもない。
これが現場の声である。 将来の改善を期待したいが法律につき、無理であろう。 個人情報保護法により、電話番号すら記載が無い場合もあり、アポイントすら難しい。 アポ無しで現場直行して現地不明もある。 いやはや、法律が事故時の迅速対応の足を引っ張っている様な錯覚を覚える。
体温計の電子音が聞こえず、耳鼻科医院に行ったら、聴覚に問題があるわけではなく、加齢によるものであると診断された。 治す方法は無く、将来、補聴器を付ける様にアドバイスを頂いた。 小生の鑑定人人生の終焉が近いことを改めて自覚した。 じゃあ、本件は改善しなくても小生に影響は無い。 でも、笑えない。 平成30年2月8日
|