業者見積書の作戦と裏事情
長崎県の建築会社の見積書の書き方の裏技の検証である。 長崎県民は相見積りをとる習慣が無い為、業者のいいなりになる 人々が多い。 反対に、元請けは下請けに対して、 「相見積りになるかもしれんばってんね。 (安く書いてこいという意味)高かったらよそにまわすバイ。」 とプチ脅しをかけて、自社の利益率を上げる。
この下請けの金額を下げる交渉を『協力してくれ』という日本語が まかり通っている。 その様な過程を経て、元請けから顧客(施主)に見積書が提出される。
その1 見積書は実工予算があり、そこにもっともらしく、利潤を乗せる。 そのことが悪いことでは無い。 一般に、工事の利益率は25~30%の利益を見て作成される。 酷い業者はその%が50%くらいを乗せる為に、巧妙に作文される。 その他雑工事という名称で、70,000円程を各工事項目に記載したり、 一般管理費,現場管理費,諸経費,準備費,過剰な現場清掃片付け費, いろいろな項目を作り作成される。 実工予算×1.25程度を逸脱して最もらしく諸経費5%に収めたり そこはまさに『作文』の世界である。
その2 今度はその書式であるが、正しいかの如く見せる手法には ・備考欄を作らない。 …見積書の項目を1行1行チェックする几帳面な客の場合 空欄の備考部分に希望金額を書き込まれて交渉されることを回避する 手段である。 その3 ・文字を小さく書く …客が見積書をチェックしにくい様に、小さい文字で記入して、 その正当性を主張し易い様に書く。
その4 ・頁を増やし、項目をまとめて、客が整理しにくい様に記載し、交渉は 理屈無しで「トータルでいくら」しかわからない様に書く。
その5 ・普段、公共工事がメインの大手業者の場合、項目はいっぱいあるが、 結局、諸経費率が45%超になる場合がある。 そして、提出した業者に悪気が全く無く、大手ゼネコンの場合等は、 ウチはいつもこんな感じだから、交渉には乗らないと上から目線になる。 特に保険事故で保険で対応することになると、保険会社を公共機関と同じと考え、割高な見積書を平気で作成して提出し、範囲はあっていても一般の相場を著しく上回る。しかし彼らにはこれが普通と考えている。 もちろん、罪悪感等みじんも無く、ビジネスマンの発想そのものである。
その6 見積作成者が建築設計事務所の場合、その実際の工事はすべて丸投げする習慣から、ゼネコン並みの単価と項目で、利益率が高い。
すべての設計事務所がそうとは言わないが、長崎県では一般にそうなることが多い。 彼らは現場管理をしているからとのたまうが、作業着を着ることは無く、 安全靴で現場に来ることも無く、お洒落な服装でノーネクタイで上着を羽織り、先生と呼ばれる御仁が多い。口は出すが、手は汚さない。
もちろん、ちゃんとした設計施工の建築設計事務所もあるからすべてとは言わない。
あくまでも、32年間の見積書チェックの経験から述べており、 良心的な請求の業者も存在するから、誤解の無い様に申し上げる。
建築工事を実際に施工した経験から言うと、50万円以下の工事は まず、儲からない。やらないほうがいい。 超小工事の場合の実工予算で100,000の工事の場合、最低でも現場に 3回赴くし、現場の段取りや職人の手配、近隣に対する配慮、職人の飲み物はその近隣の店舗で購入など割に金が掛かり、これに自分の交通費を含めて諸経費25%の25,000円を乗せても全く利益が上がらず、自分の日当すら出ない。
『この仕事は受けなけばよかった』となる。
仕上げが気に入らないとクレームが入り、やり直しをすると間違いなく赤字に転落する。
…の様に、工事の規模に応じて見積書は作成されるから、単純に交渉して削ればいいというわけでもない。
見積書はあくまでも作文であるから、格安の見積書がいい訳でもない。
『安かろう、悪かろう』…安いが施工が悪い。職人の仕事では無い。 という様なこともあるから、適正な価格と相場を逸脱しない金額で 依頼すべきであろう。
平成30年5月17日
|