高架水槽の調査
共同住宅である分譲マンションや賃貸マンション 我国で言う分譲マンションは英語でMansionと書いてしまうと 『お屋敷』『豪邸』のことであり、正確にはCondominiumsである。 だからコンドミニアムと呼称すべきであろう。 若かりしき頃、貧乏だった小生は木造モルタル塗込瓦葺のチープなアパートに 居住していた。
悲しいかな、貧乏人だった小生は20代の頃の住まいは、 隣の住人の声が聞こえたり、隣人のTVの音が普通に聞こえるプライバシーの欠乏した当時家賃23,000円/月の賃貸アパートであり、夜露をしのいで寝るしかないだけの作りであった。 古い、いや経年著しい建物で内装が一番安い材料仕上げの超貧乏長屋であった。
豪華な賃貸マンションでも小生の独身時代を過ごした共同住宅であっても 英語ではApartmentであり、木造,S造,RC造に関わらず、 アパートメントである。 本コラムは前者のコンドミニアムと後者S造,RC造高層アパートメントについて述べる。 概して、コンドは高層住宅が多く、単位面積当たりの居住者が多い。 10階建のコンドの給水は上水道の水圧では30m揚水することは不可能である。 そこで高架水槽の登場である。 ちなみに零式艦上戦闘機のドロップタンクは増槽である。増槽により航続距離が伸びて、当時の戦闘機では世界一の航続距離を誇る我国の工業製品である。 水槽と増槽で韻を踏みつつ、、、、 この上水供給方式は大きく分けて3つである。
①加圧ポンプ式 …貯水槽は地上に設置された受水槽のみでこのタンクから加圧ポンプで各階の世帯へ上水を給水する。
②増圧直結高架水槽方式…タンクは塔屋(ペントハウス)上にのみ設置して貯水槽が無く上水を直接圧力ポンプで高架水槽へ揚水して、各個室へ水道水を供給する。
③受水槽高置水槽式…長崎市では一般的であり、その80%程度がこの方式である。まず、上水を貯水槽に溜めて、揚水ポンプで高架水槽へ上げて、各個室へ水道水を供給する。
重力を使って高架水槽から供給する方式は②,③である。
一般的な②,③で述べると、最上階の蛇口をひねると水圧が低い。 優しい水道水の供給とも言える。
反対に1階は重力によって、位置エネルギーを使い圧が掛かり、通常の市水の水道水直結と同様の水圧が得られる。 激しい水道水の供給である。
小生の現場は③であった。 10階建のワンオーナーの賃貸アパートメントである。高架水槽は10階の塔屋の上に存在し、その不具合の調査で9階の陸屋根までは階段で登ったが、塔屋の上には外壁に設置されたステンレスのはしごである。
雨上がりで濡れたはしごはツルツル滑る。 被保険者は登れと言うし、修理業者も登れと言う。 『おいおい、ここは地上30mだぞ。命綱くらい出せよ。』 と思いながら、そんな時に限って、弊社の所有する命綱を持って行ってない。 ちゃんと調査して写真を撮って、寸法を測って、原因を調査する為には登るしか選択肢が無かった。
運動神経とバランス感覚のいい小生は無事登って調査を完了できた。 原因も把握した。
ここは長崎、なんと小生の後に被保険者と業者がはしごを登って来た。 「業者はともかく、俺も確認したい。」との発言、う~ん。業者はいいけど、あんたは下で待っとけと思った。
保険業界の消耗品的な存在の鑑定人が落ちて怪我しても問題にはならないが、誤って被保険者が落ちたら現場に居た小生に苦情殺到間違いない。
※鑑定人が調査の為に落下して怪我をすることはそれは自己責任であって、依頼した保険会社のせいでは無いとなるであろう。 もしも、落下防止を考えるなら、鑑定事務所で、対策をすべきであると言われるであろう。
悲しいかな、これが現実。
平成30年6月14日
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