混構造における地震保険の損害割合の認定方法
きっと大阪では鑑定人諸氏が大変なことになっていると思う。 お身体ご自愛下さい。 遠い九州から被災者も含めましてお見舞い申し上げます。
一例として、鉄骨造と木造の建物が一つの建物として存在している場合の損害率の計算方法である。
これは国指定の損害調査報告書に記載が無い為、現地の保険会社の査定に委ねるとなってしまう。
過去にすべての事案がそうだった様に、小生の知る限り、例外的な建物にその様な書式は無く、保険価額の存在から各々計算して最後の答えが算出される技法は各鑑定事務所や各鑑定人がノウハウとして独自の計算方法や考え方で算出していた。
もちろん、書式はすべてオリジナルである。 鑑定人としてLOSSとVALUEの考えを以って鑑定しているから 当たり前だろうと言われるとその通りとなってしまう。
上記建物の場合、1階が鉄骨造で、2階が木造の場合、鉄骨造は いわゆる『外壁保険』であるから、1階の基礎のクラックはカウントしない。 2階の木造の在来軸組工法は主要構造部の4つの判断基準 『基礎』,『軸組』,『外壁』,『屋根』の内『基礎』が除外される。 …という判断は正しい。…A案
この混構造建物は結果として基礎工事を認定基準から除外して 判定するのが、「地震保険損害調査書」の通りである。 しかしながら、木造建物が2階に現実に存在している場合、1階鉄骨造部分の基礎のクラックを2階木造の判定基準の基礎扱いしてもいいのではないかという議論もある。…B案
さて、答えはどちらでしょう。 A案,B案、各鑑定人の責任においてご判断下さい。
被保険者有利,約款作成者不利の原則を鑑みつつ、
地震保険の損害処理の迅速,円滑,公平を期す為に、保険者が全員同じ 調査基準の公平性 命で報告書が全保険会社同じなのであるから、 マニュアル通りで行くのか、それは鑑定人次第である。
末筆ながら、各保険会社の対策本部で決定しているなら、口を挟まないが、この事は各鑑定人の技量に因るものとなるであろう。
被保険者と揉めた時はその支払いの内容は「地震保険損害調査書」が 目安どころか、それに依って算定せざるを得ない。
その損害を積算して、保険価額と損害額を算出して、判定という方法もあるが、地震保険制度の特性や公平性から乖離していくと思う。
過去に揉めてその積算手法をとった事があるが、代理人が介入して、 損害調査書から逸脱した算定方法は一つの手法として参考にはするが、 全く無意味という決断がなされたこともある。
「じゃあ、面倒くさい積算をした時間と労力は全くの無駄かぁ~」 とトイレで叫んで、気を落ち着かせた経験有り。
地震保険の調査の猛暑の現場で、大変な鑑定人諸氏に捧ぐ。
平成30年6月25日
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