根拠のない立会件数の指示『いざ鎌倉』
阪神淡路大震災の時等、地震保険の調査をした事無い人物から 『地震保険は簡単だから1日8件以上現場立会調査、かつ協定まで。 もちろん、保険金請求書に署名捺印を取付すること。』というとんでもない指示が出ていた。
あの時、交通手段は無く、唯一JR芦屋駅のみ復旧され、大阪の対策本部からの交通手段はその1本しかなかった。 (阪急電車,阪神電車の復旧はその後であった。) 当然、芦屋駅から神戸市東灘区,灘区,中央区は徒歩で移動であった。 その環境で1日8件の立会は時間的に、物理的に無理。 すべての事案が小学校等の避難先にいる契約者をアポ無しで訪ねて そこから現地まで一緒に歩いて、現場確認という手法であった。
電話不通、携帯電話は出立で被保険者は所持していない。 日本にまだ携帯電話が普及していない時代。小生は個人的に持っていたが震災の影響で殆ど通信圏外で繋がらない。
そう、It’s easier said than done.(言うは易く行うは難し)
長崎弁で言うと、 『口で言うとは簡単ばってんね。お前がしてみろ!できるわけないやろう』 と言う表現になる。
指示する人々はちょっとこの指示は厳しすぎるなというところまで ノルマを課す。 そうすると、他人に厳しく、周りから見ると、厳格な格好いい上司に 映るものと勘違いするのである。
実は広域災害処理に効率のいい解決方法は無いのである。 ひたすら、人を集めて人海戦術しか無い。 そう、鑑定人の数を確保することが一番である。
なぜ、鑑定人が集まらないのか、その理由は簡単である。 普段から仕事を出しておかないからである。 そんな幼稚な事に気付かず、『いざ鎌倉』を例に上げて忠誠心を計るなんて、 普段はどうやって生活するのか理解が及んでいない証拠である。
『屯田兵みたいに、普段は別の仕事をしていいから、有事の時だけ 対策本部に駆け付けて欲しい』 という指示を頂いたことがある。 普段、別の仕事をしていたら、そこが本業となる。 広域災害の応援鑑定人の仕事なんて労働基準法を無視してこき使われ 忙しすぎて、病気で倒れる人が多いのである。 そこに『いざ鎌倉』論は当てはまらない。 平成31年3月29日
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