とある保険会社の自動車SCの鑑定人発注
近年、保険会社の査定が人材派遣のパート社員に代わりつつある。 保険会社は派遣社員に仕事を発注させる時代になった。 もちろん、研修を受けてやっているはずであるから、正社員と同等 の査定能力はあると思われる。 しかし、派遣社員に権限はない。当たり前である。
鑑定事務所はその様な人物から鑑定依頼を受けることとなるが、 その派遣社員は鑑定事務所を下請けとして考え、何でも屋として しか思っていない場合が多い。
『被害者が怒っているから、今日の夜8時過ぎにアポイントを取って下さい。 日曜日の午前中面談希望だから、よろしく!』
「あのう、休日に現場に行かないといけない物件は何ですか? RCですか?S造ですか?木造ですか?」
『自転車です。ウチの客の車が自転車の人を跳ねた時に壊した自転車 を見て来て欲しい。』
「弊社は自転車の損害はわかりません。専門外でございます。 技術アジャスターの人達の方が専門に近いかと思いますが、、、」 …弊社は自転車は専門外でその修理金額などはわからない。
個人的に高価な自転車は複数所持しており、自転車の構造や 修理方法はわかる。 しかし、自転車の損害鑑定の権限は無い。
『日曜日はウチのアジャスターが休みだから、お宅が行ってきてほしい。』
「休みで対応できない事を理由に弊社にしかも日曜日に自転車を見て 来いとのご依頼は変ですよ。弊社は建物の損害鑑定で鑑定人という 資格を取得してやっている鑑定事務所ですよ。」
『じゃあ、よそに頼みます。今度からお宅に仕事出さないかもしれません。』
「お役に立てず申し訳ございません。」と言って電話を切った。
※この方は人材派遣の人で、保険会社の社員では無いことは知っていたが、いつの間にか、弊社への発注についても口を出す様になっていた。 保険会社の仕事をする為には、業務委託契約書を本店と交わし、 厳格なセキュリティー指示や決算報告書の提出等の厳しい審査の上契約締結に 至っているにもかかわらず、派遣会社の社員に仕事をもう出さないよ なんて言われるのは腹が立ってしょうがない。
ましてやこの保険会社の業務委託契約書を取るのに20年も掛かって とれたにも拘らず、非正規の社員から命令されるのは不本意である。 この方の勤務時間は朝10時~午後4時までの典型的なパートである。 この様な方に鑑定事務所への鑑定依頼を発注させる会社も会社と思う。
損害保険登録鑑定人は専門外の対物鑑定は受注しないことが肝要である。
令和1年5月31日
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