最後の名刺入れ
26年前に買い替えて使用していた名刺入れ、当時、ちょっと無理をして高価な名刺入れを購入した。 平成5年当時はサラリーマン鑑定人をしていた。 保険業界はバブル経済崩壊後の鑑定事務所の鑑定料を下げることとなり、 広域災害時の鑑定料が3割引きとなった時代であった。 その時、もう、鑑定人が金銭的にいい時代は終わると考え、デパートで 〇ブサン〇-ランの高価な名刺入れを購入した。
ちなみに関西の鑑定人はデパートを百貨店と言う。 アイスコーヒーは『レイコ』と言うし、(喫茶店で)コーヒーでも飲みましょうか?と 言う会話も『サテンで茶ぁでもシバコケー。レイコにフレッシュ入れといて~』 と本当に発言なさるからビックリした経験がある。
しかしこのブランド品の名刺入れも26年間の使用で革が擦り切れ、 接合部が破断してしまい、その役割を終えた。 値段の高い良品は長持ちして結局は耐用年数を超過して26年間使用して元を取った様な気がする。 愛用の名刺入れがついにその寿命を終え、交換となった。
現場の苦労は踏みにじられながらも耐えて協力して来た保険業界 の消耗品的な扱いの鑑定人の様に、、、。
さて、小生の残された鑑定人人生も終焉への消化試合である。 この長い試合は完全に敗北であったことは笑えない。
新調した名刺入れは3年位前に姪の結婚式の引き出物のカタログ販売で入手したが、姪っ子の結婚式での引き出物のせいか、大切にしまっていた。 この名刺入れはビジネスマンとしての人生で最後の名刺入れとなることは 間違いない。 悲観的な意味では無く、現実を直視し、己を知ることで整理がつく。 小生ももうすぐ57歳である。
頑張っても年金受給の65歳まで、8年しかない。
この名刺入れはあと8年間は使えそうな良品である。
ただし、これからの人生で新しく名刺入れを再度購入すること は無い。
追記…鑑定業務を悲観的に考えるのではなく、それは時代の変化で そうなってしまったのである。 鑑定人をプロ意識を持って頑張った事はただの職業的な事象 であり、無駄な人生を送ってしまったかもしれない。 だから、これから人生を取り戻すつもりである。
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