ケンちゃんの海水パンツのひも(応力集中の破断)
世の中で、機械装置を固定している物は、ステー,ボルト・ナット,鎖, チェーン,他。
そして衣類を身体に固定するものはベルト,サスペンダー,『ひも』である。
小生が中学1年の時の校内の水泳教室で、砂浜の海での遠泳の指導があった。
同級生の○○ケンイチ君、通称ケンちゃんに突然ある事象が発生した。
海の中で、水着である海水パンツのひもが切れた。
損害額的に言うと、男性用水着の固定用紐の破断である。
当時の水泳パンツのひもはゴム紐が多用されている時代であり、 そのゴム紐が切れたとたんに、そう、ケンちゃんは両手離しで砂浜に上がることが出来なくなった。
遠泳しながらの事故報告であり、たまたまそばで泳いでいた小生への 事故報告である。
その事故の悲惨さよりも、片手でパンツを握り、両足ともう片手で遠泳を続けるケンちゃんを応援するどころか笑ってしまった。
もちろん、ケンちゃんも笑っている。
ボートの上から指導する先生達はこの異変に気付いていない。
運動神経が発達しスポーツは何でも得意なケンちゃんが遠泳で 最後尾となり砂浜に上がった。
もちろん、陸上では両手でパンツを吊り上げていた。
誰も気付いていないと思っていたが、ケンちゃんが沖の海上で騒いだ理由を直ちに理解して皆様、失笑。
そう、普段考えられない事がある日突然発生する。 これが事故である。
男女共学の中学校である為、そこにはスクール水着の女子が存在した。
腹を抱えて笑ったりすると、ケンちゃんのプライドを傷つける事を鑑み 男子達はひたすら我慢して下を向いてクスクス笑っていた。
しかし、誰かがチクってしまい、女性陣にその正確な情報が伝わり、 周知の事実となった。
でも誰も表立って笑わない、笑いをこらえているが、口に出してののしらない。
体育顧問のⅯ先生が『おい、ケンイチ、これでパンツをしばっとけ。』
同先生が自分の靴の靴紐をとり、渡した。
バレバレであるが、誰も笑わず、遠泳の授業は終礼を迎えた。
ひもの破断は一人の少年を強い男に育てた。
令和2年8月27日
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