浮浪者の住む家 その2
査定担当者から契約者が保険会社に向けて暴れていると弊社に連絡があった。 仕方がないので、3回目の立会いに赴いた。
長崎市内と言っても、もとは西彼杵郡であり、郡部が 市町村合併で長崎市内の併合された遠方の田舎である。 町道らしき未舗装の農道には街灯も無く、民家の灯りがすなわち 街灯となる様な10件程しかない山の中の集落である。 平家の落武者が住んでいる様な、はたまた忍者の修行場の様な 山奥のひっそりとした村であった。 もちろん老人しか住んでいない。 電気は来ているが、水道は無く、井水であり、ガスはプロパンガスである。 ケーブルテレビ等あるわけも無く、10世帯程の山中の限界集落である。 小生にとっても社有車(〇ローラ)でそこに行くのは山道が狭すぎて 少々きつかった。 四駆か軽トラか〇ムニーくらいの車両で行かないと怖い部分もある山中である。 元々林業を生業としている人々が引退し、年金暮らしの高齢者しか居住 していない。 村のお年寄り達は契約者の遠縁の親戚と名乗るこの不法入居者を温かく迎え、おすそ分けしたり、畑で取れた野菜をあげたり、小学生の女子にお菓子を与えて、大歓迎していた事を聴取した。
契約者の主張 『長期出張で、東京に行く間、不在になるので、この大事な家屋 を保険に入って守るつもりがなんだこのていたらくは! あんたら保険屋が、ちゃんと管理しとけよ。 普段から見回りに来とけよ。』
弊社発言「今回の台風の被害調査を依頼受けただけで、あなたの家は 今回初めて拝見するし、 元々家の管理は保険会社は引き受けていないですよ。 それより早く警察に被害届を出した方がいいと思いますよ。」
契約者の主張:『もう警察を呼んだ。もうすぐ来るはず。』
そう、警察車両が来れない程、道が狭く、未舗装のガタガタ道である。
2時間くらいして、交番の巡査が黒バイクで登場した。
被保険者は鑑識や科捜研が来ることを期待していたらしいが、 要は駐在所のお巡りさんである。
何も事情を知らないお巡りさんsaid『どげんしたとね?』 (何があったんですか?…和訳)
…この発言に契約者がまた暴れた。 知~らない…っと
令和3年2月25日
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