世の中金である。スナックのボーイその1
「地獄の沙汰も金次第」という諺の意味は地獄の裁判でさえも金力で自由にでき、金の力は強大だということであるが、この諺を使うことで実に娑婆の人間くさいイメージを緩和しているように思える。 実生活においてこのような事実が見うけられることは誰にも否定しがたいことと確信する。 「世の中は金である。」という言葉を使うと使った人間の技量が小さいなどという誤解や信頼性を欠いてしまうという理由からあまり好ましくない言葉であるが核心をついていることは間違いないと思う。 このような社会において核心を述べてくれる方は少なく、まず文部科学省推薦の国語の教科書に載せても省略されない様な好ましい言葉で説明なさるであろう。
…昭和62年に書いた文章の続編である。 その頃はネットは無い。パソコンも無い。
昭和56年(1981年)の18歳の時(40年前)、福岡市の苦学生であった小生、夜間のアルバイトとしてスナックのボーイをやっていた。
長崎と異なり、歓楽街の中洲である。
スナックなのに、客が多い。 はっきり言って、酔っ払いが多い。 今でいうところのクラブであるが、店舗名は『スナック藤』…現在閉店 客が多い理由は簡単で、お店の中には美女が6人在籍している。 そう、綺麗どころの20代前半の女性陣である。 まあ、6人の仲は悪い為、しょっちゅういざこざが絶えない。 喧嘩ばかり。
テーブル客から『マコちゃんをここに呼べ』と言われると、
「マコでございますか?あいにくと今別のお客様のテーブルにおりますので 少々お待ちください。」 『おい、30分も経ったぞ。いつまで待たすんや!』
小生の出番である。「お客様、今どうしてもマコは他の席から移動できないのでスズを代わりに連れて来ます」 …何とも辛い立場である。ボーイって楽しくないなぁ~
『おい、ボーイ、マコちゃあ、本名か?』 …おい少年、マコという名前は本名か?と和訳
心の中で「んな訳ないやろう…。源氏名だよ。アホか。」と思いながら 「お客様、私はホステスのプライベートはわかりませんし、本名は知りません。」 『はよ、ここに呼べ。』
「かしこまりました。マコさ~ん、Cの2番テーブルお願いします」I said. …続く
令和3年3月25日
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