自放火する人々(女は魔物編)その1 ※この話はフィクションである。登場人物はすべて架空の人達である。 自放火と言う名の再発防止を切望する物語である。 モラルリスク牽制の投稿である。
今から○○年程前、店舗兼居宅の火災現場に赴いた。 全焼に至らず、6割損程(60%くらいの損害)であった。 やりたくない仕事である。 不謹慎な発言であるが全焼の方が仕事がし易い。 鑑定人諸氏はご存知の通り。
調査すると明らかに事故状況と出火原因がおかしい。 弊社独自の方法で油性反応有り。 弊社は鑑定会社につき火災の発火原因は権限外であり保険価額と損害額算定が弊社の仕事の領域である。
しかしながら自放火の可能性がプンプンした。
面談すると保険契約者とその妻が明るい。 経験上、住宅の火災現場では関係者家族は落ち込んだり、喋る事が困難であったり、涙を流したり、焼場で思い出の品物を発掘作業したり、携帯電話を紛失していたりすることが普通である。
小生一名のalone立会であるから保険会社に事故原因がモラルリスクの可能性 を否定できないと速報をFAXで知らせた。 ※電子メールが一般的でない時代のお話である。
後日、保険会社が別途依頼したリサーチ会社が火災の周辺状況を調査したが 全く問題無いとの回答が来た。
更に○○先生と呼ばれる火災研究所の所員も出火原因に問題無しとの 回答である。 ※リサーチ会社2社が有責で問題無いとのご見解
Yes.Payとなった。 いやいや何言ってんだよ。契約者サイドが火を着けてんじゃん …と思っていた。
保険会社の査定パーソンに本件は自放火の疑義が払拭できないから 支払は控えて契約者の人物を再調査した方がよいと提言した。 しかし火災の専門家である○○先生が問題無しと言っているから 保険会社としては『不払い』と言われるといけない立場から保険金支払いをしないといけないとの事であった。 立場の違いは仕方がない。
建物の損害額の積算と家財の損害額の算定をして保険会社にドラフトを 提出した。 保険会社が協定に難航したものの保険金は支払われた。 …その2に続く
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