超過部分の保険料を返せとの打診その1
保険会社の営業セクションからの問い合わせの電話があった。
Based on a true story
弊社鑑定人(2009年退社)が16年前にやった事案で とある店舗が全焼し、保険金額が\30,000,000で保険価額(=損害額)が \20,000,000で認定し、保険金は16年前に支払われていた。
営業用什器備品に付保されており、什器備品の新陳代謝が激しい職種であり、焼けた当時\20,000,000分くらいしか什器の在庫が無かったらしい。
結果として超過保険であったらしい。
『らしい』…の理由はもう16年前の資料は廃棄してしまい全く書類 もデータもない。 しかも小生が赴いた現場では無いのである。 弊社にその時の損害額並びに保険価額の算定根拠を出して欲しいと らしい。
契約者の主張はその当時の超過部分の保険料を返還して欲しいと言うのである。(…その時に言えよと独り言)
その理論が正しくても、それはもう誰もわからない。
そしてその主張している事も事実かどうかわからない。 個人情報保護法、企業情報の守秘義務の観点から事案終了後の資料はすべて紙媒体はシュレッダー廃棄,データ消去で全く保管していないのである。
退社した○○鑑定人の連絡先を教えてくれとのご主張には閉口した。
営業店であった為、『御社の火災新種サービスセンターに聴いて下さい』と言うとそんな事は既にやっており、火災新種SCに断られたとの由。
『火新が出来ない事は弊社でも絶対できませんよ。しかも16年前の資料なんて残してませんよ。もし、残していたら保険会社出入り禁止処分ですよ。』
しかし、さすが営業マンである。 『ワタベさん(ハマベだよ!)大人の話をしようよ。鑑定会社はこっそり残しているでしょう。その資料を出してって言ってるだけだよ。』
…はっきり言おう。残す訳ない。ある訳無い。終了事案は見たくない。
特にこの会社は弊社には厳しく指導してくる会社であり、弊社の セキュリティーにまで口を出す様な保険会社である。 事務所に監視カメラの設置や社内に入室する事は 個人情報漏洩に繋がるから社員以外は入室禁止にしろとか税理士や】弁護士でも事務所入室禁止令まで提言するような火新である。
ノートパソコンの使用禁止まで言う会社の過去のデータなんて消去してなかったら、業務委託契約書を破棄されるくらい超厳しい会社である。
にもかかわらずこの営業マンは緩い、緩すぎる。 この人には守秘義務は無いのであろう。
そんな契約者の主張は無視すればいい。 いろいろしゃべるので聞くと、その契約者はもう既に他社に保険をつけているとの事であり、もう顧客では無いらしい。
I said『あのう、16年経過は時効ですよ。法律上対応不能ですよ。』
『えっっ~そうなんですか!』
保険会社のこの営業マン、誠実な御仁と思われるが大学出たての新人であった。
令和7年8月6日
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